短刀銘来国光（名物塩川来国光）の解説文／ホームメイト

原文

「短刀銘来国光（名物塩川来国光）」の作風は、地鉄（じがね）は小板目（こいため）良く詰み、①地沸（じにえ）微塵に厚く付き、冴えます。

②刃文（はもん）はわずかに湾れ（のたれ）調に小互の目（こぐのめ）乱れ、③小沸よく付き匂口（においぐち）明るく冴えています。

④激しく乱れこむ帽子が印象的で、⑤深く返る様は左文字を思わせます。⑥重ねやや厚く、茎（なかご）は生ぶの振袖形。

本作は乱れ出来の典型作のひとつで、茎が荒れ気味ではあるものの、出来は抜群です。

「短刀銘来国光（名物塩川来国光）」の作風は、地鉄（じがね）は、小板目（こいため）良く詰み
①地沸（じにえ）微塵に厚く付き、冴えます。
大きな沸（にえ）の結晶が幅厚く密集して地鉄に現われて、明るくきれいに見えます。
②刃文（はもん）はわずかに湾れ（のたれ）調に小互の目（こぐのめ）乱れ、
刃文は、幅が小さく緩やかな湾れ（のたれ）のように見えるなかに、小さな互の目乱れが混じっており、
③小沸よく付き匂口（においぐち）明るく冴えています。
目に留まる位の小さな沸の粒がたくさん付いて、刃文と地鉄の境目が色鮮やかです。
④激しく乱れこむ帽子が印象的で、
鋒／切先（きっさき）にかけて刃文の線が大きく乱れているのが印象的で、
⑤深く返る様は左文字を思わせます。
刃から延びてきた刃文が鋒／切先でくるりと返り、棟側にもしばらく続いていく様子は九州の左文字一派の特徴を思わせます。
⑥重ねやや厚く、茎（なかご）は生ぶの振袖形。
刀身（とうしん）の厚みがややあり、茎（なかご）は磨上げ（すりあげ）ていない生ぶのままで、振袖形をしています。
本作は乱れ出来の典型作のひとつで、茎が荒れ気味ではあるものの出来は抜群です。