刀剣は昔から、神秘的な力を持つ物としても扱われてきました。神事で奉納される、歌舞(うたまい)・神楽(かぐら)や、伝統芸能や祭事で披露される「踊り」でも、刀剣は神聖な物として使用されています。「剣舞と詩舞 世界の剣舞」では、武術や吟詠と融合し、舞台芸術として発展した吟剣詩舞(ぎんけんしぶ)や、刀剣と日本の民族舞踊の歴史、世界で行なわれている剣舞(けんぶ)などについて解説します。武器としての刀剣とはまた一味違った、刀剣の魅力をご堪能下さい。

武士の芸事・吟剣詩舞

明治時代以降、旧武士階級の人々を中心として盛んに行なわれたのが「剣舞」(けんぶ)です。なかでも、日比野雷風(ひびのらいふう)が確立した吟剣詩舞(ぎんけんしぶ)は、誕生から120余年を経ても発展を続けています。詩に節を付けて歌う吟詠と、吟詠に合わせて踊る剣詩舞(けんしぶ)。日本の伝統的な芸道「吟剣詩舞」は、刀剣と共にどのような発展をしてきたのでしょうか。「吟剣詩舞」に関する、歴史や特徴についてご紹介します。

武士の嗜みは剣術、弓術といった武道だけではありませんでした。日本刀(刀剣)を手に舞う「吟剣詩舞(ぎんけんしぶ)」とは、古武道を芸術に昇華させた芸能であり、武家社会の生み出した舞踊です。
詳細はこちら
明治期以降に旧武士階級の人々を中心に盛んになった剣舞(けんぶ)。その実践、鍛錬を通じて、青少年の体力はもちろん、精神力の修練も行なえると考えられていました。
詳細はこちら
古武道の鍛錬とは、剣術など古武道の技術だけでなく、武術を行なう者=武者としての心構えや精神性も修養することだとされています。剣舞(けんぶ)における演者にとっても、ただその型を真似るのではなく、精神、技術ともに詩の主人公を体現することが優れた表現なのだと考えられています。
詳細はこちら
元治元年(1864)、薩摩国(現在の鹿児島県西部)の刀鍛冶・日比野源道義の息子として生まれた日比野雷風(ひびのらいふう)は、神刀流剣武術と武道の精神を広めるべく日本各地を精力的に訪問し、普及活動を行ないました。
詳細はこちら
幕政時代の末期には、漢詩を教育する際に節を付けて聞かせることが行なわれており、これが吟詠(ぎんえい)、詩吟の原型だと考えられています。吟剣詩舞(ぎんけんしぶ)においての吟詠は舞の詞章、ストーリーを詠ずる伴奏となります。
詳細はこちら
吟剣詩舞(ぎんけんしぶ)は、演劇とは異なり、凝った衣装や化粧などで詩文の世界観を演出することはありません。小道具としては打刀を主に使用しますが、詩文によっては脇指、薙刀、長巻、槍、二刀流などの様々な日本刀(刀剣)や、それに加えて扇や丈(じょう)という長い木の棒を用いることもあります。
詳細はこちら
明治末期から大正にかけて、古典芸道である吟剣詩舞(ぎんけんしぶ)にも次々と流派が誕生しました。新しい流派は、吟剣詩舞が芸道として確立される前から剣舞(けんぶ)を伝えてきたもの、居合術、剣術の流派から生み出されたもの、神刀流剣武術や水心流の門下生が創設したものなど多種多様でした。
詳細はこちら
誕生から120余年を経て現在も発展を続けている吟剣詩舞(ぎんけんしぶ)。今日ではアニメや漫画を題材にした作品や、琴、尺八、三味線などの和楽器での演奏、シンセサイザーの演奏などが加わる演目なども増えてきています。
詳細はこちら
明治時代、吟剣詩舞(ぎんけんしぶ)は神社での奉納公演、武道場での大会、劇場などで披露されました。また、時の天皇陛下や政治家、軍の高官、外国の来賓、実業家などの主催する舞台などでも吟剣詩舞は披露され、日本武道を礎とする芸道として鑑賞されたのです。
詳細はこちら
吟剣詩舞(ぎんけんしぶ)が開眼された初期には、藩政時代の大名、学者、江戸末期から明治初期にかけて活躍した学者や軍人の詠んだ漢詩が詞章とされ、吟詠(ぎんえい)、剣舞(けんぶ)で表現されました。水戸藩の2代目藩主「水戸光圀」の詠んだ漢詩「詠日本刀」や9代目水戸藩主「徳川斉昭」作の漢詩「大楠公」は、詩吟や吟剣詩舞の演目として有名です。
詳細はこちら

刀剣と日本の民族舞踊

民族舞踊とは、伝統的に受け継がれてきた民族たちの踊りです。日本各地には様々な民族舞踊が存在しており、刀剣を小物として使う民族舞踊には、アイヌ民族の「剣の舞」、岩手県や宮城県の「鬼剣舞」(おにけんばい)などがあります。日本各地で行なわれている刀剣とつながりの深い民族舞踊には、どのような経緯や想いが込められているのでしょうか。刀剣を使用している民族舞踊の特長や種類について、ご紹介します。

儀式や祭礼で舞われるアイヌ古式舞踊には、選択無形民俗文化財に指定されている釧路市春採地区と阿寒湖畔地区以外にも、地域ごとに様々な舞が伝えられ残っています。現在、北海道のコタンがある各地域には保存会などが置かれ、観光客などに紹介されるとともに、次世代への継承が行なわれています。
詳細はこちら
アイヌ民族の剣の舞には、「イヨマンテリムセ」と「エムシリムセ」という、趣旨が異なる2種類の舞踊があります。現在、北海道の各地にある観光施設、資料館などでは様々なアイヌ民族の古式舞踊が紹介されており、この2種類の剣の舞もしばしば来場者に披露されています。
詳細はこちら
和人との戦いにおいて、アイヌ民族は弓矢、槍、エムシと呼ばれるアイヌ刀を手に戦いました。エムシが本来は儀式用であったことからも分かるように、アイヌ民族は刀剣には霊力があり、厄災を祓う力を持つ物と考えており、持ち主の男性が死んだ際には墓に副葬品として納められることもありました。
詳細はこちら
鬼剣舞(おにけんばい)の始まりには2つの説があり、8世紀初頭の大宝年間に修験道の祖とされる「役小角(えんのおづの)」が念仏を民衆に広めようと、念仏を唱えながら踊ったことが起源とする説。もう一説は9世紀初頭の大同年間に羽黒山の法印大和尚である善行院が荒沢鬼渡大明神にて悪霊を祓い、衆生済度(しゅじょうさいど)を祈念して踊ったことを所以とするものです。いずれにせよ、東北の鬼剣舞は8~9世紀頃から始められた念仏踊りを起源としています。
詳細はこちら
現代に伝わる鬼剣舞(おにけんばい)の装束は昭和初期に確立された物であり、それ以前は組ごとに多種多様な装束をまとって踊られていました。今でも地域によって神様への捧げ物である御幣(ごへい)をかたどった物や、幣(ぬさ)という紙や麻の紐や布を垂らした物を使用する地域、太刀ではなく長刀(なぎなた)を使用する地域、竹や木などを重ねて作った楽器・簓(ささら)などを小道具として持つ地域、鎧を身に付けて踊る地域など、鬼剣舞には多種多様な様式が存在しています。
詳細はこちら
民俗芸能ながら、バラエティに富んだ演目を持ち、踊り方に技量を要する鬼剣舞(おにけんばい)は、全国各地に残る芸能の中でも特筆すべき存在であり、現在も多くの人々に愛され、次世代へと継承されています。その演目には勇壮で力強い踊り、優雅で格調高い踊り、軽快でアクロバティックな踊り、集団で賑やかに踊る群舞など、様々な形式の踊りが取りこまれているのです。
詳細はこちら
現在でも日本刀(刀剣)を使用する祭事、民間の神楽が継承されている地域が日本全国に点在し、人々に厄除、豊作記念の奉納行事として継承されています。
詳細はこちら

世界の剣舞

剣舞(けんぶ)が行なわれる国は、日本だけではありません。中国、スペイン、サウジアラビアなど、世界各国で剣舞が行なわれています。剣舞の表現も国によって様々。国の統治・支配を表現したり、航海の魅力を表現したりと、刀剣の数だけ剣舞も姿を変えます。日本とは文化や価値観が異なる世界で、剣舞はどのような形で生まれ、発展してきたのでしょうか。アジアやヨーロッパなど、世界中の刀剣と文化の関わりをご紹介します。

韓国における刀剣を使用する舞踊、剣舞(コンム)とは宮中舞踊である呈才(チョンジェ)の中のひとつで、新羅王朝時代(紀元前57年~935年)に起源があるとされる、古くから伝えられてきた伝統舞踊です。現代でも民俗舞踊は伝統音楽とともに大切に継承されており、国立音楽院などで継承教育が積極的に行なわれています。
詳細はこちら
中国の舞踊の歴史は約5,000年前に端を発するとされており、他の国々と同様に祭礼や宗教儀式における舞が起源となっています。また、56もの民族で構成される中国では各民族の舞踊も居住区域によって異なり、さらに少数民族の継承する舞踊なども含むと中国では膨大な数の民俗舞踊が受け継がれているのです。
詳細はこちら
トルコの剣の舞「クルチュ・カルカン」は、トルコ北西部にあるトルコ第4の都市ブルサ周辺に伝わる民俗舞踊です。今もフェスティバルなどで披露されているトルコの剣舞、クルチュ・カルカンはブルサの人々の努力により、次世代へと大切に受け継がれています。
詳細はこちら
インドの古典伝統舞踊は、ナーティヤ・シャーストラの記載内容に即した芸術性の高い舞踊と、理論に捕らわれず発展した民俗舞踊があります。いずれの舞踊においても、テーマによって剣が登場し、悪を懲らしめたり、倒したりする際に使用されています。
詳細はこちら
サウジアラビア国民はそれぞれの部族の伝統も信仰と同様に重んじる上、地理的条件、気候も地域ごとに異なるため、多彩な文化、民俗芸能が育まれました。民俗舞踊も地域ごとに異なり、ヒジャーズ地方に伝わる、笛とタブルという太鼓の演奏に合わせて踊られる「笛の舞い」や、北部に伝わる手拍子とともに踊る「ダッハ」、「アルダ・ダンス」と呼ばれる剣の舞などがあります。
詳細はこちら
イランの民俗舞踊は、地方ごと、民族ごとに少しずつ異なります。民俗舞踊の種類には、宮廷で舞われた洗練された舞と、生き生きとした民衆の舞踊があり多種多様。その中で、戦争・戦闘を表現する踊りは戦いの様子を舞で表現するものであり、かつては戦闘訓練として採用された舞踊です。
詳細はこちら
コルチュラにはモレシュカ、クンバニエ、モシュトゥラなどの民俗舞踊が残されており、モレシュカは舞い手が剣を手に踊る戦いの舞踊で、謝肉祭の習慣に基づいた舞踊だとされています。幾多の戦いの歴史が、クロアチアでは今も伝統行事や舞踊に残り、脈々と受け継がれているのです。
詳細はこちら
地方や民族ごとの伝統舞踊を愛し、結婚式や祭りの際には舞踊を楽しむジョージアの人々。その伝統舞踊にはカズベグリ、カルトゥリ、ホルミ、レズギンカをはじめ多彩な種類があります。
詳細はこちら
スペインの民俗舞踊の特徴は、リズムが活発かつ複雑であることです。そのため、舞い手は舞踊技術の鍛錬を要します。また、スペインの民俗舞踊のステップは、後世にバレエの中に取りこまれたものも多くあるのです。民俗舞踊の宝庫・スペインでは、現代も人々の暮らしに舞踊が深く根付いています。
詳細はこちら
イギリス各地には剣を使用するソードダンス=剣の舞が伝えられています。一方、ナイトやデイムの授与式では、王室関係者が中世の騎士叙任において王が行なったのと同様に、跪く叙勲者の両肩を儀礼用の剣で触れる儀式が行なわれます。折節の祭事で楽しまれる民俗芸能に、栄誉称号の授与にと、イギリスでは今も剣が人々の暮らしに深く溶け込んでいるのです。
詳細はこちら

日本刀(刀剣)に秘められた幾多の魅力を皆様にお届けするサイト、バーチャル刀剣博物館「刀剣ワールド(刀剣広場)」。こちらのページは「剣舞と詩舞 世界の剣舞」の一覧ページです。
一口に日本刀(刀剣)と言っても、実は歴史が長い日本刀(刀剣)。あなたが知らない新事実もまだまだたくさんあるかもしれません。日本刀(刀剣)・甲冑(鎧兜)に関する様々な記事があるので、ぜひご覧下さい。また、刀剣ワールド(刀剣広場)では、他にも日本刀(刀剣)に関するコンテンツをご用意しております。刀剣ワールド(刀剣広場)をご覧頂き、日本刀(刀剣)についての新しい知識を学んで下さい!

もっと見る▼

注目ワード

ページトップへ戻る