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ファンタジーに登場する剣
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「戦い」がテーマとなるファンタジー作品(幻想作品)に、必ず登場する武器と言えば「剣」が挙げられます。西洋風の「両刃の剣」をはじめ、一目で切れ味の高さを示す細身の「日本刀」、盗賊や暗殺者などが使用する小型の剣など、一言に剣と言ってもその形状やサイズは様々。一般的に、ファンタジーに登場する剣の多くは「伝説」や「神話」の武器をモチーフにしていることが多いです。そのもととなった武器が登場する伝説・神話を中心に様々な剣をご紹介します。

伝説の剣

聖剣エクスカリバー

聖剣エクスカリバー

聖剣エクスカリバー

「聖剣エクスカリバー」とは、中世騎士道の物語「アーサー王伝説」(アーサー王物語)に登場する伝説の剣のこと。

主人公であるブリテンの王「アーサー王」が所持した剣で、アーサー王が所有する以前は石に突き刺さっていたと言われています。

石に刺さった剣を、アーサー王が引き抜いたことで王となったという逸話も有名で、この逸話は様々なファンタジー作品(幻想作品)で見られる非常にポピュラーな設定となりました。

伝説によると、聖剣エクスカリバーの真価は、その鞘(さや)にあったとされています。鞘を所持した者は、不老不死の加護によって不死身となるため、所持者は聖剣エクスカリバーと鞘がある限り、無敵になることができるのです。

なお、アーサー王伝説は作品によって登場人物や出来事、テーマなどが複数存在するのも特徴。聖剣エクスカリバーは、必ずしもアーサー王が石から引き抜いたわけではなく、「魔術師マーリン」と呼ばれる人物から渡された、あるいは石から引き抜いたのは別の人物で、のちに「湖の貴婦人」から貰ったなど、アーサー王が剣を手に入れた経緯については諸説あります。

なお、ファンタジーで登場する聖剣エクスカリバーやそれをモチーフにした武器は、「作中最強の武器」として描かれることが多いですが、もととなった物語では「最強の剣」として描かれた例は少ないです。

ソハヤノツルギ

「ソハヤノツルギ」とは、伝承上の人物「坂上田村麻呂」が所持していた剣のこと。「妖星」(ようせい:彗星や流星など、凶事の前兆とされる星)が大空で砕けて降り注いだ際に生じた剣とされています。

本剣は、伝承上の女性「立烏帽子[鈴鹿御前]」(たてえぼし/すずかごぜん)が所有していた「大通連」(だいとうれん)と呼ばれる神剣と対峙した際に、鳥となって飛び掛かったり、火焔となって吹き掛けたり、魔法合戦のような戦闘が繰り広げられたことで知られており、ファンタジー作品(幻想作品)でも様々な効果を持つ剣として登場することが多いです。

なお、戦国武将「徳川家康」の愛刀には「妙純傳持ソハヤノツルキ/ウツスナリ」(みょうじゅんでんじそはやのつるぎうつすなり)と呼ばれる刀が存在。この刀とソハヤノツルギの関連性は資料がないため不明ですが、一般には妙純傳持ソハヤノツルキ/ウツスナリは、ソハヤノツルギをモデルにして作刀された刀と認識されています。

ソハヤノツルキ

ソハヤノツルキ

時代 鑑定区分 所蔵・伝来
妙純伝持
ソハヤノツルキ/
ウツスナリ
平安時代 重要文化財 徳川家康→
久能山東照宮
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クトネシリカ

「クトネシリカ」とは、北海道に存在する民族「アイヌ民族」の叙事詩「ユーカラ」に登場する英雄「ポイヤウンペ」が所有したとされる伝説の宝刀のこと。「虎杖丸」(いたどりまる)という和訳名でも有名です。

その拵(こしらえ:鞘や柄[つか]など、刀剣を構成する付属品の総称)に付属する各所の刀装具には、「狼神」や「雄と雌の竜神」、「無毛の獣」(狐か熊、または虎)など、4柱の「カムイ」(アイヌ語で神の意味)が宿っていたと言われており、所有者であるポイヤウンペがピンチになった際には、霊威によって顕現し窮地を救ったと言われています。

なお、ポイヤウンペはアイヌ神話に登場するアイヌ民族の祖である神「アイヌラックル」(オキクルミ)と同一視されることもあります。江戸時代中期に活躍した朱子学者「新井白石」をはじめ、複数の学者は「オキクルミの正体は、逃げ延びた源義経だろう」という「義経北方伝説」を唱えたと言われていますが、考古学上の研究では、この説を裏付ける確証は得られていないと言います。

アスカロン

「アスカロン」とは、キリスト教の聖人「聖ゲオルギウス」が所有していたとされる竜殺しの聖剣のこと。聖人列伝「黄金伝説」によると、聖ゲオルギウスは本剣を使って巨大な悪竜を討伐し、エジプトの王女を救出しました。

アスカロンはもともと、幼少時に聖ゲオルギウスを拉致した魔女「カリブ」が所有していた剣です。凛々しく成長した聖ゲオルギウスに心を奪われたカリブは、どんな武器をも弾き返す「リディアの甲冑」と、必勝の加護を持つ馬「ベイヤード」などと共にアスカロンを聖ゲオルギウスに与えたと言われており、聖ゲオルギウスは悪竜退治の際もカリブから授かった防具を使用して戦いました。

なお、竜殺しの聖剣として名高いアスカロンですが、実際にはどのような武器であったのか、その形状やサイズについては言及されていないため、宗教画などでは槍や槍状の剣として描かれていることが多いです。

神話の剣

フラガラッハ

フラガラッハ

フラガラッハ

「フラガラッハ」とは、「ケルト神話」に登場する太陽神「ルー」が持つ剣のこと。英名では「アンサラー」とも呼ばれており、「応える者」、「報復者」などの意味があります。

フラガラッハの特徴として挙げられるのは、敵が着用する甲冑(鎧兜)を貫き、鎖を断ち切るほどの切れ味を誇り、剣自らが鞘から飛び出したら最後、自動的に敵を補足して攻撃するというとてつもない性能を持っている点。

そして、一度狙われた敵は必ずフラガラッハによって倒されるとも言われており、万一その攻撃を避けたとしても、付けられたその傷は癒えることがないという伝承も残されています。

フラガラッハの「一度敵を補足したら、倒すまで追尾する」というミサイルを彷彿とさせる性能は、ファンタジーでも多く採用されており、フラガラッハをモチーフにした武器は作中最強の武器のひとつとして設定されていることが多いです。

勝利の剣

「勝利の剣」とは、「北欧神話」に登場する豊穣の神「フレイ」が所有する剣のこと。「切り裂けぬ物はない必殺の武器」であり、「愚かな者が持っても使い物にならないが、賢者が持てばひとりでに戦う」という能力が存在。また、その見た目は太陽の輝きにも匹敵するほどの神々しさを持つとされています。

勝利の剣を持っている限り、フレイは無敵とも言えるほどの強さを誇っていました。しかし、召使いの「スキールニル」に褒美として勝利の剣を与えてしまい、その後訪れた「ラグナロク」(終末の日)の際に、炎の巨人「スルト」によって敗北。

なお、このときにスルトが持っていたのは「炎の剣」と呼ばれる剣で、これは「レーヴァテイン」と言われる剣と同一であるとする説が存在。レーヴァテインとは、北欧神話にただ一度だけ、名称のみで登場する武器のことです。

また、レーヴァテインは異説として勝利の剣の別名であるとする説も。この場合、「無敵だったフレイは、かつて自身が所有していた剣によってスルトに倒された」ということになり、ファンタジー作品(幻想作品)では、「無敵の存在にまつわる道具が、無敵の存在を倒す唯一の武器」という設定が非常に好まれているため、様々な作品で採用されています。

シャムシール・エ・ゾモロドネガル

「シャムシール・エ・ゾモロドネガル」とは、「エメラルドを散りばめた剣」という意味を持つ、「イラン神話」に登場する剣のこと。

もともとはイスラエル王国第3代「ソロモン王」が所有していた武器で、中近東に実在する曲刀の武器「シャムシール」がモチーフとなっています。本剣は、所有しているだけで「魅了の魔法」や「鋼の装甲を身にまとった悪魔」に抵抗することができるなどの能力があるのが特徴。

ソロモン王の手から離れた本剣はその後、悪魔「フラッゼレイ」(フラッゼライ)のもとへ渡りました。フラッゼレイは、本剣を非常に大切にしていましたが、その理由はフラッゼレイの母である魔女が「息子(フラッゼレイ)を傷付けることができるのは、シャムシール・エ・ゾモロドネガルのみである」と言う特殊な魔法をかけたためです。

さらに、この魔法には「シャムシール・エ・ゾモロドネガルによって付けられた傷は、フラッゼレイの遺体から作った薬でしか癒すことができない」という効果もあったため、本剣は悪魔・フラッゼレイを討伐することができる唯一の剣として存在しました。

クラウ・ソラス

クラウ・ソラス

クラウ・ソラス

「クラウ・ソラス」とは、「ケルト神話」に登場する聖剣のこと。アイルランド語で「光の剣」、「輝ける剣」という意味を持ち、「所有者に照明を与える」、「巨人などの特別な敵に対して特殊な効果を発揮する」、「不死の存在さえ倒すことができる」など、その効果は物語によって様々。

また、クラウ・ソラスは太陽神・ルーが所有していた投擲武器(とうてきぶき:投げて使用する武器)や英雄「クー・フーリン」の槍、アーサー王伝説に登場する剣など、様々な神話・物語に見られる剣のモチーフとなった武器と言われています。 

なお、異称として「神殺しの剣」とも名付けられていることから、もととなった神話などでは「聖剣」という形で登場している一方で、ファンタジー作品(幻想作品)では異質な力で所有者をも蝕む「魔剣」として描かれることが多いです。

その他の剣

アサシン(暗殺者)が使用する剣

アサシンブレード

アサシンブレード

「アサシン」(暗殺者)とは、要人・権力者を専門として暗殺を行う人、または団体のこと。

アサシン(暗殺者)が使用する武器として有名なのは、「アサシンブレード」と呼ばれる特殊な剣。アサシンブレードは、アサシンを象徴する武器とも言われており、籠手(こて:手甲に装着する防具)に飛び出し式の小型の剣が内蔵されている構造が特徴。

使い方は様々ですが、主に敵の背後に忍び寄って急所を突くことで相手を暗殺する場合に使用されます。また、剣に毒を仕込んだり、ピストルを内蔵したり等、様々な改造を施すことも可能。

アサシンブレードのモチーフとなった武器については定かになっていませんが、刃渡りが短いナイフなどは古くから暗殺の道具として使用されることが多かったため、そうした事例を参考にして考案された武器と推測されます。

忍者が使用する剣

「忍者」とは、戦国時代の日本で暗躍した諜報員のこと。ファンタジー作品(幻想作品)における忍者は、しばしば派手な忍術を用いて暴れ回ったり、闇に紛れてアサシンのように暗殺を行ったりすることが多いため誤解されがちですが、実在した忍者の主な役割は、いわゆる「スパイ活動」でした。各地へ赴いて現地の治安や状況などを収集し、それを雇い主や主人へ伝えることが主任務だったのです。

スパイと言えば、素性を隠して、できるだけ目立たないように行動することが原則となりますが、忍者もまた自分が忍者であることを隠して活動していました。 

しかし、諜報活動の際に素性が判明して敵と戦うという場面も当然想定されます。そうした場合に忍者が使用した武器として挙げられるのが「忍者刀」と呼ばれる剣です。

忍者刀

忍者刀

忍者刀とは、一般的な日本刀よりも小さく、その刀身に弓なりの反りがほとんどない「直刀」の剣のこと。この剣は、敵と斬り合うための武器と言うよりは、に入れたまま使用することが多い武器だったと言われています。

例えば、夜闇に紛れて屋敷へ侵入する場合、忍者は忍者刀を使って暗闇のなかを移動しました。鞘を刀身に引っ掛けて、前方へ最大限伸ばすことで、障害物を発見しやすくしたのです。

また、高い塀や壁などに登る際は、忍者刀を塀などに立て掛けて、それを土台にして登っていました。忍者刀のには長い紐が付けられているのが特徴で、土台にした忍者刀は、この紐を使って回収していたと言います。

正宗(マサムネ)

正宗」とは、「日本刀の代名詞」とも言われる、世界的にも著名な刀工、及びその刀のこと。厳密には剣ではなく日本刀に分類されますが、国内外で制作されたアニメやゲーム、映画など、様々なファンタジー作品(幻想作品)で登場するため、その知名度の高さは抜群です。

ファンタジー作品(幻想作品)の正宗は、とにかく鋭い切れ味を誇る「最強の剣」として描かれることが多く、これは実在する正宗の刀の特徴と一致しています。

なお、日本刀を作刀した刀工は数多く存在するにもかかわらず、正宗が特に著名な刀工として有名になった理由は、天下人である「豊臣秀吉」から重宝されたためです。豊臣秀吉は正宗の刀をこよなく愛し、自身で収集した他、褒美として家臣へも与えていました。そのため、刀のことを詳しく知らない人びとの間でも「正宗が作った刀は、太閤様が気に入るほどの名刀なのだ」というイメージが次第に定着したと言われています。

ファンタジー作品(幻想作品)に登場する正宗も、こうした逸話をもとにして、作中ではなかなか手に入らない「最強のレア武器」のひとつに設定されていることが多いです。

刀剣ワールド財団所蔵の正宗の刀剣

刀 無銘 伝正宗
刀 無銘 伝正宗
無銘
鑑定区分
特別重要刀剣
刃長
68.2
所蔵・伝来
孝明天皇→
刀剣ワールド財団
〔 東建コーポレーション 〕

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