雑誌等
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「粟田口派」(あわたぐちは)や「来派」(らいは)、「一文字派」(いちもんじは)、「長船派」(おさふねは)など、有名な刀工派ごとに名刀の数々を紹介。なかでも粟田口派短刀の傑作「藤四郎」が数多く取り扱われており、「正宗派」(まさむねは)では、「九鬼正宗」(くきまさむね)や「会津正宗」(あいづまさむね)、「石田正宗」(いしだまさむね)などが取り上げられています。
さらに本書は、各派の違いや特徴を知れる他、時代の変遷とともに日本刀の姿がどのように移り変わっていくのかがよく分かるつくりです。
名刀達を紹介する「名刀の物語」では、大きな写真とそれぞれの詳しい説明が掲載されており、ところどころにちりばめられたコラムも読み物として面白く読み応えがあります。ひとつひとつ丁寧に読み進めることで、日本刀に関する知識を身に付けることができることでしょう。
「全国有名刀工分布図」では、日本のどこで、どの刀工の流派が栄えたのかが一目で分かるような分布図になっています。さらに、古刀・新刀・新々刀と、時代ごとに色分けがされており、時代の流れを見ることが可能。
例えば、江戸時代以前は全国各地に有名な刀工の流派が散らばっていましたが、江戸時代以降、刀工は有力な地域で栄えたことがよく分かります。
また、古代刀の特集では、東北地方で栄えた「蕨手大刀」(わらびてだいとう)や「百済」(くだら)から送られた「七支刀」(しちしとう)などを紹介。いずれの刀も個性豊かで、日本刀のルーツを知ることができます。
このように本書では、古代刀や古刀、新刀、新々刀にいたるまで、日本刀の歴史を総括的に学ぶことができ、「刀工の流派による違いをもっと知りたい」、「粟田口派や正宗派の刀が好き」、「日本刀のルーツを学びたい」という方々に、オススメできる1冊。