雑誌等
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名刀の基礎知識をはじめ、戦国武将と日本刀の関係、日本刀づくりの概要、現代の刀匠紹介など、日本刀そのものの解説だけでなく、それの使い手・作り手にも焦点を当てており、全体的にバランスの取れた内容になっています。
また、全編オールカラーになっているため見やすく、各特集も興味深いものばかり。
例えば、本書の見どころは「天下五剣は、なぜ凄いのか」と言う特集。この中では「三日月宗近」(みかづきむねちか)・「童子切安綱」(どうじぎりやすつな)・「大典太光世」(おおてんたみつよ)・「鬼丸國綱」(おにまるくにつな)・「数珠丸」(じゅずまる)の5振が丁寧な解説とともに紹介。「どうしてこの5振が天下五剣なのか」、「各名刀達が歴史の中でどのように愛されてきたのか」がよく分かります。
さらに、所有者の流れも紹介されているため、来歴も一目で把握でき、刀の刃文(はもん)や茎(なかご)がどのような姿をしているのかも手に取るように分かることでしょう。
「戦国武将と日本刀」の章では、「関ヶ原の合戦」・「川中島合戦」で活躍した武将を取り上げ、それぞれにまつわる名刀達が紹介されています。徳川家康、織田信長、武田信玄、加藤清正など名立たる武将達が愛用していた刀剣を見られる他、戦において日本刀がどのような影響を及ぼしたのかもしっかりと説明。また、刀匠にも焦点が当てられているのも本書の特徴です。
刀工の源流となった「五箇伝」(ごかでん)、刀づくりにおける10種類の匠、現代の刀匠「法華三郎信房」(ほっけさぶろうのぶふさ)の紹介など、様々な視点から刀匠についての解説がされています。
このように本書は、日本刀に関する幅広いテーマを網羅しており、刀剣初心者から上級者まで楽しむことができ、本書タイトルにもあるように、文字通り「完全保存版」と言える1冊です。