「太刀 銘 備州長船利光 嘉慶四年二月日」に付属する純金太刀拵です。金製品ゆえに通常の拵と比べて格段に重量があり、総重量は1,376gとなっています。
本太刀拵は、金製品ならではの華やかさがあり、格調高い拵。全体に菊紋があしらわれており、鍔(つば)や目貫(めぬき)、切羽(せっぱ)にいたるまで、金具はすべて金無垢(きんむく:純金製)です。
鞘(さや)は金梨子地(きんなしじ)。梨子地とは、蒔絵(まきえ:漆工芸における装飾方法の一種で、漆で文様を書き、乾く前に金銀の粉などを蒔く)の一種です。漆を塗った面に梨子地粉(なしじふん:梨子地に使う金や銀の粉末のこと)を蒔いて、乾燥させたのちに梨子地漆(なしじうるし:梨子地用の透明な漆)を塗り、漆を透かして梨子地粉が見えるようにします。梨子地は鎌倉時代に始まったとされ、梨の表面に似た模様であることからこの名が付きました。