笄(こうがい)の耳掻の逆側にある細くなっている部分。髪を整える際はこちら側を使う。
腰に差した際、刀が抜け落ちないように、鞘(さや)を帯に結び付けるための紐。栗形に通した下緒は、鞘が容易に帯から抜け出ないように固定するための物で、帯に挟み込んだりするなどして用いられた。下緒の長さは一尋(約170cm)程。拵(こしらえ)の様式や雰囲気に適合した物が用いられていた。
柄(つか)の補強や、装飾、柄巻の紐の滑り止めを目的として柄に巻かれた凹凸のある皮のこと。実際にはエイの皮が使われていることが多い。柄や鞘(さや)の材料として用いられる鮫皮は鮫の背の一部分を用いるため、鮫一尾から柄一本分の材料が取れるのみである。中国、朝鮮、インドなどから輸入していた。
刀身を収め、保護したりするための入れ物。刀身を雨露や埃から保護する鞘は木地に漆塗とした物だけでなく、皮製あるいは鞘の上に竹や籐を巻いて堅牢さを高めた物も作られた。他方、時代を経るにつれて華やかな装飾が施されるようになった。特に桃山文化の影響を受けた派手な作は「桃山拵」と呼ばれる。江戸時代に入るとさらに発展し、多様な素材と意匠によって鞘の装飾とされた。
日本刀の鞘(さや)の末端部分のこと。鐺(こじり)と同意語。江戸時代には、指料(さしりょう)と言って、大小二つの刀を身に付けるように決められたが、打刀(大)にはフラットな切尻を、脇差(小)はラウンド型の丸尻にすることも定められていた。
兜金の装飾で、「腕貫緒」(うでぬきお:手首に巻き付けて手から刀が離れないようにするための緒)を通すための金具のことで、猿が手を繋いでいるような形状をしていることから名付けられた。兵庫鎖太刀(ひょうごくさりたち)に用いられる場合は、鎖製になるのが特徴。
兵庫鎖太刀の鞘(さや)の表面に施された薄い板のこと。鍍金(めっき)や彫刻、家紋などが施されている。
日本刀の「頭」(かしら:柄[つか]を補強するために、その先端部に装着される金具)や「栗形」(くりがた:下緒[さげお]を通すために、日本刀の差表側の鞘口[さやぐち:刀身を入れるための口]付近に付けられた穴のある突起物)にある、緒紐を通すための穴。その形状が鳥の「鵐」(しとど:ホオジロやアオジ、ノジコなどの総称の古名)の目に似ていることから、この名称が付けられている。
柄巻(つかまき)の方法のひとつ。一般的な柄巻のように平織りされた柄糸ではなく、細糸を撚り合わせた糸を使う。これを組み合わせることで、手溜りと滑り止めのための凹凸を作る。実用面だけでなく見た目も考慮した物で、糸の組み合わせが装飾の効果を高めている。
鍔(つば)と刀身を隙間なくしっかり固定するために鍔と刃、鍔と棟の接触部分に施された、素銅(すあか)や銀などのやわらかい金属小金物。鍔の制作時から付属されている物もあるが、一般的には刀身との調整時に付け加える。江戸時代後期になると、鍔の装飾性を高めるために備え付けられた物もあった。
鍔(つば)を挟み込むことによって、刀身と鍔を柄に安定させる役割を持つ金具。打刀においては薄い板金一枚で微調整されることが多かったが、太刀の場合には、柄側(表)、鞘側(裏)ともに二枚ないし三枚ずつ用いられた。また、鍔の形に合わせて仕立てられた物を「大切羽」(おおせっぱ)と言う。
「曲がり柄」とも言う。毛抜形太刀の柄のように、柄部分に極端な反りを付けた物で、古代中国に原形が見られる。豊臣秀吉による朝鮮出兵の際に伝わった刀の柄は「高麗柄」と呼ばれる。江戸時代後期において、鎌倉時代の太刀を模した復古調の刀装が作られた際に、柄に反りの付いた形式も見られる。
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