渋沢栄一の功績

渋沢栄一賞
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渋沢栄一賞 渋沢栄一賞
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「渋沢栄一」(しぶさわえいいち)は、明治時代から大正時代にかけて約500社もの企業設立に携わり、実業界を牽引するリーダーとして日本の近代化に最も貢献した人物だと言えます。現代においても「実業界の父」、あるいは「近代日本経済の父」と称えられる渋沢栄一ですが、ただ経営手腕が優れていただけではありません。渋沢栄一は、福祉や教育といった社会貢献活動や、国際交流でも自身の力を発揮し、人々のために尽くす慈善家としての顔も持っていました。私益よりも公益を大切にしていた渋沢栄一のように、社会事業に尽力した企業経営者には「渋沢栄一賞」という賞が贈られています。

渋沢栄一の功績渋沢栄一の功績
渋沢栄一に関連する人物、功績・教えについてご紹介します。

全国の経営者に贈られる「渋沢栄一賞」

渋沢栄一の精神を受け継ぐ経営者を表彰

2002年(平成14年)に始まった渋沢栄一賞は、「渋沢栄一」(しぶさわえいいち)の出身地である埼玉県が、優れた企業経営者を表彰する賞です。

対象は、埼玉県内だけではなく全国とし、①「企業倫理に則り健全かつ優れた経営を行っている」、②「社会貢献や地域貢献を行っている」という選考基準を満たす企業経営者の中から選ばれます。

選考方法は国や地方公共団体、関係団体などから推薦や情報提供を募り、渋沢栄一賞選考委員会の審査を経て、埼玉県知事が受賞者を決定。2002年(平成14年)の初開催以降、先駆的な企業活動を行い、様々な支援活動を実施している経営者が毎年2~3名選ばれています。

渋沢栄一賞は、現代における企業家のあるべき姿を示すための賞でもあるのです。

現代の渋沢栄一! 渋沢栄一賞受賞者紹介

井村屋グループ株式会社 代表取締役会長・浅田剛夫氏

あんまん・肉まん

あんまん・肉まん

2018年度(平成30年度)の第17回渋沢栄一賞を受けた「井村屋グループ株式会社」(三重県津市)の代表取締役会長「浅田剛夫」(あさだたけお)氏は、井村屋グループを代表する「あずきバー」や「肉まん・あんまん」などをロングセラー商品として育成したことや、海外事業進出、グループ経営などの事業展開が高く評価されました。

それと共に、幼児を対象とした食育活動やグループが行う環境保全活動である「アズキキングの森」(三重県津市)などの社会貢献活動も受賞理由のひとつになっています。

株式会社特殊衣料 代表取締役会長・池田啓子氏

第17回渋沢栄一賞を受けた「株式会社特殊衣料」(札幌市西区)の代表取締役会長「池田啓子」(いけだけいこ)氏は、リネンサプライ業から始まった同社の事業を、福祉用具製造業や清掃業へと拡大させました。

その間、障害者用の頭部保護帽「アボネット」の開発・製品化に成功。現在では冬場の転倒事故から子どもやお年寄りを守るための製品として広く愛用されています。

その一方で、身体障害者だけでなく社内に知的障害者を受け入れる小規模作業所を設置し、障害者雇用の促進に努めると共に、2004年(平成16年)には「社会福祉法人ともに福祉会」(北海道札幌市西区)の理事長に就任し、設立資金を寄付して障害者就職支援活動を行ったことが評価されています。

株式会社バローホールディングス 代表取締役会長兼社長・田代正美氏

第17回渋沢栄一賞を受けた「株式会社バローホールディングス」(岐阜県多治見市)の代表取締役会長兼社長「田代正美」(たしろまさみ)氏は、中部地方を中心に食品スーパーやドラッグストアなどを多店舗展開し、社長就任時から売上・利益を大幅に拡大して株式市場への上場を果たしました。

こうした業績拡大に合わせて、財団法人を通じて行っている奨学金支給額を年々拡大させていることも高く評価され、受賞に結び付いています。

伊那食品工業株式会社 最高顧問・塚越寛氏

造り酒屋文化を支援

造り酒屋文化を支援

2017年度(平成29年度)の第16回渋沢栄一賞を受けた「伊那食品工業株式会社」(長野県伊那市)の最高顧問(受賞時は代表取締役会長)「塚越寛」(つかこしひろし)氏は、日本における伝統的な寒天作りをもとに独自の製造技術を開発し、寒天産業の発展に貢献。

創業以来、社員の幸せを追求する「年輪経営」を掲げ、2006年(平成18年)には48年間連続の増収増益を達成しています。

また、2014年(平成26年)には、地元長野県の老舗酒造会社を支援するために清酒事業を展開し、村の伝統的な造り酒屋の文化を継承する活動に尽力。この他、地域で開催される能と狂言「伊那能」(いなのう)や「春の高校伊那駅伝」への協賛など、積極的な地域貢献活動も受賞理由となりました。

浜松ホトニクス株式会社 名誉会長・晝馬輝夫氏

第16回渋沢栄一賞を受けた「浜松ホトニクス株式会社」(浜松市中央区)の名誉会長「晝馬輝夫」(ひるまてるお)氏は、創業時から中心メンバーとして尽力、世界的な光技術専業メーカーに成長させ、国内外の物理学者のノーベル物理学賞受賞に貢献。

それと共に、1988年(昭和63年)に「光科学技術研究振興財団」(浜松市中央区)を設立し、研究助成や研究表彰を実施した他、2004年(平成16年)に「光産業創成大学院大学」(浜松市中央区)の創立を支援して、初代理事長に就任したことも高く評価されています。

六花亭製菓株式会社 亭主・小田豊氏

2014年度(平成26年度)の第13回渋沢栄一賞を受けた「六花亭製菓株式会社」(北海道帯広市)の亭主(受賞時は代表取締役社長)「小田豊」(おだゆたか)氏は、菓子商品の質を落とさないために販売店舗を北海道に限定しました。

同時に、道内トップの菓子メーカーに成長させるため、社内新聞を発行して組織の一体感醸成に取り組んでいます。

その一方で、敷地内に美術館やレストランが点在する「中礼内美術村」(なかさつないびじゅつむら:北海道河西郡)などの観光施設を運営し、また児童詩誌「サイロ」の発行ど文化・芸術活動に力を入れていることも受賞の理由です。

中部ガス株式会社 元代表取締役会長・神野信郎氏

2007年度(平成19年度)の第6回渋沢栄一賞を受けた「中部ガス株式会社」(現在のサーラエナジー株式会社:愛知県豊橋市)の元代表取締役会長「神野信郎」(かみののぶお)氏は、長年に亘って中部ガス株式会社の社長・会長を務め、中部地方のガス事業発展に貢献。

さらに、代表を務めたサーラグループの経営基盤を築き、住宅関連など幅広い事業拡大を実現しています。

これら本業の他にも、日本青年会議所会頭や、豊橋商工会議所会頭、中部経済連合副会長などの要職を歴任して、中部地方の財界活動に励んだこと、アマチュアオーケストラの支援活動、ジュニアサッカーやミニバスケットボールの大会開催など、地域経済、文化、スポーツ、教育の振興にも尽力したことが評価されました。

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