「黒漆塗竹雀紋歳寒三友図金蒔絵薙刀拵」の鞘(さや)は、黒漆塗に竹雀紋(たけすずめもん)と歳寒三友図(さいかんのさんゆうず)が蒔絵(まきえ:漆で図柄を描き、漆が乾かないうちに金粉を蒔いて定着させる技法)で施されています。
竹雀紋は、伊達家の家紋として有名です。歳寒三友図は、冬の寒い季節(乱世や逆境を意味している)に友とすべき3つの物、松・竹・梅を組み合わせた図柄。松と竹は冬でも緑を失わず、梅は百花に先駆けて花を咲かせ、芳香で人の心を和ませることから、逆境でも節操を守り、清廉潔白の心をもつ物として、古くから東洋画の画題に用いられました。
本拵(こしらえ)の金具は銀磨地で唐草(からくさ)模様が片切毛彫(かたきりけぼり:片方を斜めに彫って細い線を描く手法)で表現されており、鞘口金具は猪の目(いのめ:ハートマークに似た模様)の小透になっています。
女房薙刀(にょうぼうなぎなた:鋒/切先[きっさき]の方が強く反り身幅[みはば]が広い薙刀。巴形薙刀、女薙刀とも呼ばれる)として豪華絢爛な出来映えです。