本太刀を制作したのは、無鑑査刀匠の「高見國一」(たかみくにいち)刀匠。
1992年(平成4年)に河内國平刀匠に入門し、卓越した技術を学びながら、1994年(平成6年)には、刀身彫刻の第一人者である柳村仙寿師の門を叩き、刀樋や鏨(たがね)の基本を習得します。
文化庁より作刀承認を受けた1998年(平成10年)の翌年(1999年・平成11年)に、「高見國一鍛刀場」を設立。作刀を開始してから数年を経て、新作名刀展(現・現代刀職展)で、最高賞や優秀賞、特賞など数々の受賞を果たします。
2018年(平成30年)には、最高賞である高松宮賞を受賞。2019年(令和元年)に特賞・薫山賞を受賞し、無鑑査刀匠に認定されました。
本太刀は、腰反り深く、猪首切先で、鎌倉時代の名刀を彷彿とさせる堂々とした体配。
刃文は、匂出来の丁子乱れに、重花丁子や大房丁子も交じる華やかな出来。匂口も冴え冴えとし、地鉄(じがね)は小板目よく詰み、地沸(じにえ)厚く付き地景(ちけい)入る精美にして、美しい地肌(じはだ)。高見國一刀匠の紛うことなき名品です。