本短刀は、平造り(ひらづくり)で庵棟(いおりむね:屋根のような形の棟/峰)、身幅の広い内反りの刀剣です。目釘孔(めくぎあな)下中央には二字銘も記されています。サイズは、身長が23.3cm、元幅が2.6cm 茎長が9.5cmです。
本短刀は、立花家代々の什宝(じゅうほう:秘蔵の家宝)として伝来しました。1336年(建武3年)に、立花家の先祖が「足利尊氏」(あしかがたかうじ)に従って上京したときに、京にて武勲を立て、足利尊氏から拝領したと伝えられる短刀です。
この短刀が作られた時期は、鎌倉時代中期。制作者は、「粟田口藤四郎吉光」(あわたぐちとうしろうよしみつ)だと言われています。粟田口藤四郎吉光は山城国(現在の京都府)の刀工で、「藤四郎」という名前でも呼ばれていた人物です。短刀の名手として知られており、多くの名物を残しています。
本短刀は、1935年(昭和10年)4月30日に旧国宝となり、1953年(昭和28年)11月14日に新国宝に指定されました。現在、福岡県柳川市にある「公益財団法人立花財団立花家史料館」が保管しています。