「鶴足革包研出葵紋散 御召鐺鞘 打刀拵」は、「太刀 銘 備州長船住景光 正和五年十月日」に附属する拵です。
総長は108.2㎝、総反り4.7㎝、柄(つか)の長さは26.3㎝、柄の反りは0.4㎝。また、鞘(さや)の長さは81.8㎝、鞘の反りは3.6㎝となっています。
附属の縁頭(ふちがしら)、鐺(こじり)、栗形(くりがた)、返角(かえりづの)などはすべて金属製です。帳尻が張り、入山形(いりやまがた)となった御召鐺(おめしこじり:先が幅広で、平たい剣形の金具が付いた鐺)の鞘で、鞘全体を鶴足革(つるあしかわ:鶴の足皮)で包み、黒漆研出の上には徳川家の家紋である「三つ葉葵」を黒漆盛り上げで散らしています。総金具は、鉄魚子地(てつななこじ:金具に鏨[たがね]で細かく粒を打ち込む技法)で、三つ葉葵を毛彫で散らし、小縁を取っているのが特徴です。
鍔(つば)は、丸形鉄槌目地に、五輪塔を鋤下彫(すきさげぼり)、地透かしで表し、柄は白鮫着に茶糸の双撮菱巻(ふたつまみひしまき)。目貫(めぬき)は、赤銅地容彫(しゃくどうじかたぼり)で霊獣の犀(さい)が造形されており、鞘の素材に用いられている鶴と目貫の犀は、共に縁起がいいとされる動物であるため、吉祥の祈りを込めた意匠となっています。