重要美術品
未査定
おおぎまちてんのう しんかん はちだいしゅうかんとうか 正親町天皇 宸翰 八代集巻頭歌 /ホームメイト

「八代集」とは、最初の勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう:天皇や上皇の命により編集された歌集)である「古今集」から、「後撰集」(ごぜんしゅう)、「拾遣集」(しゅういしゅう)、「後拾遣集」(ごしゅういしゅう)、「金葉集」(きんようしゅう)、「詞華集」(しかしゅう)、「千載集」(せんざいしゅう)、「新古今集」までの8つの和歌集のこと。
本作は、それぞれの巻頭歌を一行書きにしています。
「宸翰」(しんかん)は、天皇の直筆を意味し、本作を記した「正親町天皇」(おおぎまちてんのう:1517~1593年[永正14~文禄2年])は、「毛利元就」(もうりもとなり)の献上金で即位。
当時、朝廷の財政が逼迫(ひっぱく:追い詰められてゆとりがないこと)、権威も地に落ちかけていたところを回復させた天皇として歴史的に重要視されています。
その危機からの脱却には、「織田信長」(おだのぶなが)からの財政支援がありました。織田信長亡きあと、後継者となった「羽柴秀吉」(はしばひでよし)が天下を取ると、羽柴秀吉からの献上金を得ています。正親町天皇は、羽柴秀吉に「豊臣」の姓を与え、関白に任命。朝廷が豊臣政権の後ろ盾となり、天皇の権威も高まったのです。
正親町天皇はまた、公家出身の歌人「三条西公条」(さんじょうにしきんえだ)や「三条西実枝」(さんじょうにしさねき)に和歌・古典の指導を受け、積極的に歌会を催すなど、文化にも造詣の深い天皇でした。
