本太刀を制作した「久保善博」(くぼよしひろ)刀匠は、1989年(平成元年)千葉大学大学院を修了したあとに吉原義人刀匠に入門。1994年(平成6年)に文化庁より作刀承認を受け、新作名刀展に初出品し、優秀賞・新人賞を受賞しました。
以降、多くの特賞を受賞し、2017年度(平成29年度)には、2度目となる高松宮記念賞の受賞を果たし、無鑑査に認定されています。
久保善博刀匠は、古刀期の技術を再現することを目標として、独自に製鉄技術を追究。大学でも研究発表を行なうなど、研究活動にも力を入れています。今後もさらなる活躍が期待される刀工の1人です。
本太刀は、元先差が少なく踏ん張りがあって腰反り深く、鎌倉時代の名刀にならった体配。刃文は匂出来の丁子乱れ華やかな出来で、匂口冴え、地鉄(じがね)は小板目よく詰み地沸つく、美しい地肌です。
久保善博刀匠42歳の作品で、円熟味が増しつつある1振。