本刀は、「相伝備前」(そうでんびぜん)を最も得意とする刀匠「三上貞直」(みかみさだなお)が作刀した太刀。
三上貞直は、人間国宝「月山貞一」(がっさんさだかず)の門人で、1988年(昭和63年)に「新作名刀展」において特賞「薫山賞」(くんざんしょう)を受賞した他、数々の賞を獲得。1995年(平成7年)に「新作名刀展無鑑査刀匠」に認定され、2012年(平成24年)にはアニメーション作品「新世紀エヴァンゲリオン」の「ロンギヌスの槍」を、弟子の「橋本庄市」(はしもとしょういち)と共に制作したことで話題になるなど、刀剣界を牽引する存在です。
刃文は、よく足の入った丁子乱れ。刃中によく沸(にえ)がつき、金筋砂流し(きんすじすながし)等の働きが見えます。地鉄(じがね)は、よく詰んだ杢目交じりの小板目肌で地沸がよく付き地景も現れており、南北朝時代の太刀を連想させる身幅と重ねの厚さが特徴的です。