本刀の作者である刀工「宮入恵」は、1957年(昭和32年)に長野県坂城町で生まれ、1977年(昭和52年)、実父で人間国宝でもある「宮入行平(昭平)」(みやいりゆきひら[あきひら])刀匠の「宮入鍛錬道場」へ入門しました。
しかし、修行半ばで宮入行平が急逝したことを受け、その高弟(こうてい:優れた弟子)であった「藤安将平」(ふじやすまさひら)に師事。1996年(平成8年)より自身の刀工銘を、江戸時代末期に「水心子」(すいしんし)一門の門下で作刀を学んだ曾祖父「小左衛門」(こざえもん)と、父・宮入行平の名を合わせた「小左衛門行平」に改めています。
宮入恵は、1983年(昭和58年)に「公益財団法人 日本美術刀剣保存協会」主催の「第19回 新作名刀展(現在の[現代刀職展])」に初出品し、努力賞を獲得。以後、2000年(平成12年)までに、最高賞である高松宮賞(現在の高松宮記念賞)6回を始め、優秀賞や寒山賞などの特賞を数多く受賞。同年には、刀匠の最高位の資格とも言える「無鑑査」に認定されています。