本刀を制作した「源貞次」とは、高橋貞次のこと。号は龍王子。
1902年(明治35年)愛媛県生まれで、1917年(大正6年)に帝室技芸員(ていしつぎげいいん:皇室の美術や工芸品の制作をした美術家)の「月山貞一」(がっさんさだかず)、「月山貞勝」(がっさんさだかつ)父子に入門しました。備前伝の丁子乱れを得意とし、宮中御用刀匠として昭和時代初期に活躍。
1950年(昭和25年)に、わが国最初の日本刀の重要文化財保持者(人間国宝)に認定されています。1959年(昭和34年)に明仁親王御成婚に際して、美智子妃の守り刀を鍛え、浩宮徳仁親王、礼宮文仁親王ご出生の守り刀を鍛えました。
本刀は、刀身62.1cmと少し短め。裏面には「昭和十九年八月吉日 大東亜聖戦下」と銘が切られているのが特徴。昭和時代の歴史の重みを感じる1振です。