本
陣笠は、「浅利家」に伝来する1枚です。「浅利家」とは、甲斐武田氏に仕えた家老、浅利一族のこと。1582年(天正10年)、織田信長の甲州征伐により甲斐武田氏は滅亡しますが、その後、浅利一族は「
徳川家康」に従い、徳川家臣「
本多忠勝」に仕えました。
特徴は、正面に合印(あいじるし:敵と味方を区別するために付ける印)の「蛇の目紋」、側面に浅利家の家紋の「十本骨扇紋」(じっぽんほねおうぎ)が、金蒔絵であしらわれているところ。
八幡座(はちまんざ:陣笠の頂点の部分。神様の宿る場所の意味)の周りからは、五本筋が描かれていて、とても壮麗です。
現場で指揮を執る位の高い家臣がかぶった物と推測されます。