指物
未査定
つるまるもん さしものはた 鶴丸文 指物旛/ホームメイト

本旗は、具足の背中に立てた指物用の小旗です。材質は、平絹。右側と上縁は、袋縫い(旗を固定するために縁を筒状に縫製すること)。下縁は3つ折り縫いで、左側は何も施していない状態です。
袋縫いがされている上縁と右側、及び左下隅には白い「韋」(なめしがわ:加工しやすいように処理を施した動物の皮)を縫い付けてありますが、これは補強の意味があります。
中央のやや上にある模様は「鶴丸紋」。鶴は、長寿の象徴として古くから家紋に用いられました。鶴丸紋を家紋に使用していた戦国武将は、「織田信長」の小姓「森蘭丸(森成利)」(もりらんまる/もりなりとし)。
また江戸時代においても、180を超える幕臣が鶴紋を使用していたと言われています。描かれる鶴も1羽だけではなく、夫婦和合を表わす2羽であったり、5羽描かれたり、生きた鶴ではなく「折り鶴」を描くなど、その形も多種多様です。
上部には「引両」(ひきりょう:陣幕や軍旗に描かれる太い横線のこと)、下部には波形があしらわれており、仕立てと意匠のどちらも優れた旗指物です。