黒い平絹地に赤い日の丸がデザインされた、並幅(約36㎝)の2倍以上ある大きな二幅(ふたの)の指物旗。甲冑(鎧兜)の背に差すタイプで、旗の下方には細長い名札のような物が付いていますが、無記名です。
どこか威厳を感じるこの旗の文様は、陸奥国中村地方(現在の福島県相馬市)の「相馬中村藩」藩主、相馬氏が使用した物と同じ。相馬氏は、「平将門」(たいらのまさかど)を祖先に持つ平氏の名家。鎌倉時代から戊辰戦争までの約740年間、この土地を統治しました。
毎年7月に相馬市で行なわれる「相馬野馬追」(そうまのまおい)というお祭りで、総大将大纏として、この旗が掲げられている姿を観ることができます。