指物
未査定
きじくろほんのじ さしものはた 黄地黒本字 指物旗/ホームメイト

本旗は、二幅(ふたの)の旗で、片側と上端部に袋縫い(旗を固定するために縁を筒状に縫製すること)を施していますが、これは移動の際、または風の影響で旗が巻きついてしまうことを防ぐための工夫です。
旗の上端部と片側を竿で固定した旗指物を「幟旗」(のぼりばた:「昇旗」とも書く)と呼びます。袋縫いが施されている両端部に施されているのは補強のための黒い「韋」(なめしがわ:加工しやすいように処理を施した動物の皮)です。
旗のもう片側は無加工。下端部には、返し縫いが施されています。
旗の中央には、大きく「本」の字が墨書きされていますが、これは「文字紋」の一種です。文字紋は、名字や言葉を紋章化した家紋のこと。「本」の字を使った文字紋は、「本文字」(ほんもじ)とも呼ばれており、戦国武将「本多忠勝」が用いた文字紋が有名です。
旗の下端部、袋縫いが施されている側には「助川惣左衛門」(すけがわそうざえもん)という姓名が書かれていますが、これは旗の所有者名と推測されます。