どうする家康を見た刀剣ライターのつぶやき

どうする家康16話 徳川家康より巧妙な武田信玄
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どうする家康16話  徳川家康より巧妙な武田信玄 どうする家康16話  徳川家康より巧妙な武田信玄
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こんにちは!刀剣ワールドライターの甘味(かんみ)です。2023年(令和5年)4月30日(日曜日)に大河ドラマ「どうする家康」第16話「信玄を怒らせるな」が放送されました。気弱で頼りない「徳川家康」が、「織田信長」や「武田信玄」など並みいる戦国武将と対峙しながら成長する姿に毎週、感動をもらっています。「大河ドラマ『どうする家康』を見た刀剣ライターのつぶやきコンテンツ」では、刀剣ワールドライターが「どうする家康」を見て思ったこと、さらに同ドラマを楽しめる豆知識などをご紹介。第16話「信玄を怒らせるな」では、徳川家康と武田信玄の動向について探っています。

「信玄を怒らせるな」は最初から無理だった

徳川家康

徳川家康

2023年(令和5年)4月30日(日曜日)に放映された大河ドラマ「どうする家康」第16話「信玄を怒らせるな」では、武田信玄と対抗するため「上杉謙信」との同盟を画策する徳川家康が描かれます。しかし武田信玄の諜報活動を担う歩き巫女「千代」によって、徳川家と上杉家が同盟を結ぼうとしていることが漏れてしまいました。

織田信長から口酸っぱく「信玄を怒らせるな」と注意されていた徳川家康ですが、武働きの戦だけではなく情報戦にも長けていた武田信玄の前では無理というもの。

この当時、今川家の領地を徳川家康と武田信玄で分断して統治していましたが、もともと武田信玄は旧今川領すべてが欲しかったことや、上洛を考えていたことなどから戦は避けられなかったのです。そしてドラマでは、徳川家康が武田信玄の怒りに触れたせいで、ついに徳川家康対武田信玄による決戦「三方ヶ原の戦い」が起こる直前となります。

武田家を連想させるオープニング演出

武田信玄

武田信玄

今回の第16話は、オープニングから武田信玄や武田家臣団を示す演出がありました。いつもは爽やかなカラーリングですが、禍々しい真っ赤な背景で始まり、ドラマのロゴからは百足(むかで)が数匹現れて動き回ります。

その不気味さに筆者も思わずゾッとしました。この赤はご存知の通り武田家の「赤備え」を表します。そして武田信玄には勇猛な配下がいまして、それを「御使番十二人衆」(おつかいばんじゅうににんしゅう)や「百足衆」(むかでしゅう)とも言いました。

百足は、後ろに退くことがない習性から、武勇の象徴でもあったのです。第16話終盤の武田軍が出陣する場面では、武田家の家紋「四つ割菱」(よつわりびし)に混じって百足の旗指物(はたさしもの)があるので、ぜひ再度チェックしてみるのも良いかもしれません。

徳川家康、異父弟「松平源三郎勝俊」を救出する

徳川家康には、異父弟となる「松平源三郎勝俊」(まつだいらげんざぶろうかつとし)がいます。松平源三郎勝俊は、徳川家康の母「於大の方」と「久松長家」(ひさまつながいえ)の次男になり、幼い頃から人質として武田家に預けられていました。しかし徳川家康と武田信玄の関係が悪くなるにつれ、松平源三郎勝俊の立場もどんどん危うくなっていきます。

ここでおや、と思うのが松平源三郎勝俊って誰ですか?という疑問ではないでしょうか。実在の人物ではあるのですが、戦国史ではあまりメジャーではないため歴史に詳しい人達もその登場に驚愕していました。しかも松平源三郎勝俊は武田家の屋敷で、古代ギリシャ・スパルタのごときしごきを受けながら日々を耐え忍ぶという型破りの演出。

あまりに異彩を放つ場面だったためSNS上では「武田家こわい」など様々な意見が散見されました。さすがに実際の武田信玄も人質はもう少し丁重に扱っていたと考えられますので、コメディに定評のある脚本担当「古沢良太」(こさわりょうた)さんの感性が光っているとしか言いようがありません。けれどこのお陰で、松平源三郎勝俊の救出依頼を受けた「服部半蔵」(はっとりはんぞう)の活躍や、「女大鼠」と歩き巫女・千代らのバトルを見ることができ、大変な盛り上がりを見せたのです。

しかしそんな視聴者も湧いた救出劇ですが、実は松平源三郎勝俊の救出も諸説あるとされるのです。「寛政重修諸家譜」(江戸時代に著された大名や旗本の家譜集)によれば、「深い雪道をひとりで脱走したため、帰り着いたときには足の指が凍傷になっていた」とあります。

また、「甲陽軍鑑」(江戸時代に作成された武田家の軍学書)では、「一度、脱走に失敗したものの最後は武田信玄自ら送り返した」としているのです。ドラマ内で松平源三郎勝俊は、一度、脱走に失敗しており、最後救出されたときには過酷な生活のせいで足の指が凍傷になっていたので、2つの説どちらも使用していることが分かります。

救出には諸説あるものの、かつて誰も大河ドラマに盛り込まなかった松平源三郎勝俊を取り入れることで「どうする家康」では、家族の絆を大切にする徳川家康を表現。今後も、徳川家康の成長とドラマの展開が楽しみですね。

次回2023年(令和5年)5月7日(日曜日)のどうする家康

「信玄を怒らせるな」で見事に武田信玄を怒らせた徳川家康ですが、おそらくすべてが武田信玄の手の内だったことでしょう。それでも徳川家康は、家臣と一致団結し武田信玄と戦う意思を固めました。次週第17話は、徳川家康の「三大危機」のひとつと言われる三方ヶ原の戦いとなっています。

「どうする家康」のあらすじ一覧
NHK大河ドラマ「どうする家康」の各放送回のあらすじを一覧でご紹介します。
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名古屋刀剣ワールドでは「刀剣女子座談会」を実施。日本刀や歴史を愛する女性達が刀剣に関する様々なテーマを話し合います。

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