雑誌等
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編者:歴史群像編集部の「図説 日本刀入門」をご紹介します。
まさしく日本刀の入門書としてぴったりの1冊。日本刀の種類から、歴史、鑑賞方法まで幅広いテーマを網羅しています。見た目も全編オールカラーで見やすく、図やイラストも多く掲載されているため、「文字ばかりの本は苦手」という方でも抵抗がありません。
巻頭には「細川忠興」(ほそかわただおき)所有の「歌仙兼定」(かせんかねさだ)、「土方歳三」(ひじかたとしぞう)が所有していた「和泉守兼定」(いずみのかみかねさだ)の原寸大写真を収録。刃長(はちょう)おおよそ60cmの姿は、大変美しく一見の価値ありです。
「名将と名刀」では、有名武将が所有していた名刀を紹介。いずれもカラー写真で、刀の姿をつぶさに鑑賞することができる上に、刀がどのように武将の手に渡ったのか、刀がたどっていった経緯が簡潔に説明されています。
「刀剣変遷史」では、各時代における刀の位置づけが解説されています。もともとは古墳時代に日本刀の礎となる刀が誕生し、当時は権力者の象徴とされていました。その後、武士勢力の拡大とともに武器としての刀文化が栄えるようになり、同時に刀工も増えていきます。
そしてさらに日本刀文化が発展していくと、刀身(とうしん)だけでなく刀装具が豪華に制作され始めました。このように、時代と共に変化した日本刀の姿や価値をコンパクトにまとめられています。
その他にも、日本刀の作られ方や刀装具についての説明、名刀にまつわるエピソードなども掲載されており、「刀剣鑑賞図解辞典」では日本刀鑑賞時に重宝するような情報が集約。カバーしているテーマが幅広く、説明も簡潔。写真や図も多く収録されているので、刀剣初心者の導入本としてオススメしたい書籍です。