入門書(上級編)
入門書(上級編)
著者:得能一男の「日本刀ファイル 事典・図鑑・年表・格付」をご紹介します。
本書は、美術刀剣の鑑定家であり研究者としても知られる著者「得能一男」(とくのうかずお)の作品から、再版を重ね好評を博した「日本刀辞典」を改訂・再編集して著者の没後に刊行。
著者「得能一男」は、1933年(昭和8年)富山県生まれ。「近藤鶴堂」(こんどうかくどう)、「村上孝介」(むらかみこうすけ)両氏に刀剣鑑定の手ほどきを受け、刀剣研究のかたわら全国の刀剣勉強会などにて研鑽を重ね、1972年(昭和47年)、複数の刀剣愛好会からなる連合「刀剣研究連合会」を創設・主宰しました。
機関誌「刀連」発行及び刀剣研究連合会会長、伝統刀装工芸会代表、文化庁登録審査委員などを歴任。A5判でコンパクトであるにもかかわらず、事典・図鑑・年表・格付のすべてを網羅した内容となっています。基礎編の「日本刀各部の名称」、「日本刀通史」、「日本刀各部の解説と鑑定」などから、応用編の「入札鑑定法」、「五ケ伝の作風と主要刀工」、「街道別主要刀工一覧」まで、刀剣に関する情報がたくさんあります。
そのなかでも圧巻なのが200ページ以上にもわたる「日本刀剣史年表」。ひとつの刀剣にまつわる刃文(はもん)、押形から、時代や年号、主要刀工の名跡、関連の軍事、鍛冶関連の情報、ゆかりの天皇や武人、文化人、著名人にかかわるエピソードまで、ページの余白を許さないかのような圧倒的な文字量で網羅。奥付スペースにまで情報があふれ出ているほどです。