本太刀は、「吉原義一」刀匠が 1994年(平成6年)27歳のときに、豪壮華麗と謳われた鎌倉時代の名工一派、備前伝「一文字派」に挑んだ名作です。
観どころは、力強い、踏張りがある腰反りの太刀姿。刃文は、絢爛豪華で重花丁子が見事です。
地鉄(じがね)は、小板目肌がよく詰んで、細かな地沸が厚く付き、小足、飛足、葉も無数に入り秀麗。一文字派に迫る、力強くて美しい躍動感に満ちた1振と言えます。
吉原義一刀匠は、1967年(昭和42年)生まれ。無鑑査「吉原義人」刀匠の長男で、18歳のときに父に入門。備前伝を得意とし、数々の賞を受賞。
2004年(平成16年)に36歳の最年少で、父と同じ無鑑査に認定され将来有望とされていましたが、2018年(平成30年)、51歳という若さで逝去しました。