「友重」とは、「藤島友重」のこと。初代・友重は、建武(1334年)頃の人で、「来国俊」(らいくにとし)の門人。熱田神宮の重要美術品認定の太刀「友重」があります。2代友重は、「加賀真景」(かがさねかげ)の弟子と言われ、江戸時代中期の新々刀期まで続きます。
代々、備前国(びぜんのくに:現在の岡山県)、美濃国(みののくに:現在の岐阜県)、相模国(さがみのくに:現在の神奈川県)の3伝が混在した作風で、刃文は備前の互の目乱(ぐのめみだれ)、美濃風の尖り刃交じり、相州風のむら沸(にえ)、焼け崩れで縁が締まらないといった特徴を残しています。
本槍は、平三角形槍で、地は板目流れ、刃は互の目連れて頻りに砂流しがかかっています。江戸時代の友重(3代または4代、5代)の作刀と思われる作品です。