本陣笠は、「星梅鉢紋」(ほしうめばちもん)が金色に輝く、朱漆塗りが美しい網代陣笠です。
梅をモチーフとした「加賀梅鉢紋」は、加賀藩「前田家」が用いたことで有名ですが、「星梅鉢紋」は加賀藩の支藩「七日市藩」(なぬかいちはん:現在の群馬県富岡市)が使用しました。七日市藩は、加賀藩初代藩主「前田利家」の5男「前田利孝」が初代藩主。小藩でありながら加賀藩から財政支援を受けて、12代250年に亘って繁栄しました。
「網代」とは、竹などを薄く削って互い違いに編んだ製造方法のこと。大名行列時に下級武士が被った陣笠と思われますが、華やかな朱色には、加賀百万石の支藩であるという権威と誇りを見ることができます。