本
陣笠は、「
上山藩」(かみのやまはん:現在の
山形県上山市)藩主、松平家に伝わりました。
上山藩は、1868年(慶応4年)の「
戊辰戦争」に、本陣笠を被って「奥羽越列藩同盟」として参戦。新政府に抵抗しましたが、結局は降伏し、1871年(明治4年)の
廃藩置県により、山形県に編入となったのです。
陣笠の正面に付けられているのは、松平家家紋の「丸に片喰」(まるにかたばみ)。子孫繁栄の願いも込められています。八間の鉄錆地を鋲で留めた、実戦向きの堅牢な造りの陣笠で、戦国時代に足軽や雑兵が兜の代わりに被った筋兜風陣笠に近い物と言えるのです。