革物(かわもの)
江戸時代
あらなみにこいずむそうあおり・かわものいっしき 荒波に鯉図無双障泥・革物一式/ホームメイト


「荒波に鯉図無双障泥・革物一式」は、鞍(くら)と合わせて使用する革物一式の馬具です。馬の汗や泥除けの「障泥」(あおり)と、馬と鞍の緩衝材となる「切付/肌付」(きっつけ/はだつけ)がそれぞれ2枚組。そして鞍の上の敷物「馬氈」(ばせん)と、鐙(あぶみ)を取り付ける「力韋」(ちからがわ:鐙を取り付ける革)の計4点が一式です。
「荒波に鯉図」とあるように、障泥には波のなかを泳ぐ鯉が金の型押しで象られています。立体的な造形からは、波の飛沫や躍動する鯉の尾ひれなどがよく見える良作です。
また、装着時に鯉の頭が前方を向くよう対称となっており、こうした作りのことを「無双障泥」(むそうあおり)と言いました。
本作品は、切付/肌付にも同じような波の図が型押しされていることや、馬氈、力韋が揃っていることなどから、馬革物としては最高級品であると言えます。