馬標
未査定
しろじこくもちもん おおうまじるし 白地石持紋 大馬標/ホームメイト

本旗は合戦の際に、主将の馬側に張り立てた大型の馬標(うまじるし:主将が存在を示すための旗で馬験や馬印とも書く)です。材質は平絹。
四幅(よの)の旗で、片側の縁に金革の「乳」(ち:旗に取り付ける輪状の布や革のこと)を15個付けて、上端部は袋縫い(旗を固定するために縁を筒状に縫製すること)を施しています。もう一方の片側と下端部は、返し縫い。
また、旗の全面には補強のために格子状の力縫いが施されている他、四隅にも補強のための白い「韋」(なめしがわ:加工しやすいように処理を施した動物の皮)が縫い付けてあります。
旗の中央に大きく描かれてあるのは、「石持紋」(こくもちもん)。
「石持」は、「黒餅」とも書き、「餅」は満月のことを示します。月や太陽、星などは古くから縁起が良い物として武士から信仰されてきました。「黒餅」は、武士にとっての給料である「石持ち」を意味していると言われています。
戦国武将では、「黒田官兵衛」の通称で知られる「黒田孝高」の他、黒田孝高と並び称された軍師「竹中重治」(竹中半兵衛)が石持紋を用いました。
本馬標は、縫製、及び状態共に良好で、所有者の権威を大いに示したことが推測される馬標です。