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かつかいしゅう にぎょうしょふく 勝海舟 二行書幅 /ホームメイト

「勝海舟 二行書幅」は、幕末から明治にかけて活躍した政治家・勝海舟(かつかいしゅう)による二行書幅です。西南戦争で敗れ、鹿児島の城山(しろやま)で自刃した西郷隆盛(さいごうたかもり:号は南州)を悼んで、勝海舟が詠んだ漢詩「弔南洲」(なんしゅうをとむらう)を抜粋しています。
悠然事躬耕 嗚呼一高士
不圖遭世變 甘受賊名訾
現代語に訳すると、「悠然と自ら田を耕した高潔な人よ。図らずとも世の政変に遭遇し、逆賊の誹りを受けるとは」という意味です。
「悠然」(ゆうぜん:ゆったりとしている様子)という言葉は、中国の魏晋南北朝の詩人「陶淵明」(とうえんめい)作「飲酒」(いんしゅ)のなかの漢詩「悠然見南山」に由来していると思われます。
「悠然見南山」は、夏目漱石(なつめそうせき)が「草枕」(くさまくら)において「超然と出世間的に利害損得の汗を流し去った心持ちになれる」詩歌としており、幕末から明治時代にかけての教養人に馴染み深い詩でした。「躬耕」(きゅうこう)とは帝王が自ら田を耕すことを、「高士」(こうし)は高潔な人を示しています。
