矢籠・矢屏風・弓具
江戸時代
もうりけ しこ 毛利家 矢籠/ホームメイト

「毛利家 矢籠」(もうりけ しこ)は、弓台に矢を持ち運ぶための入れ物である「矢籠」(しこ)2点1組が備え付けられています。弓台(ゆみだい)の金具部分は可動式になっており、運搬する際、肩にかかる負荷を軽減する役割がありました。
本作は、徳山藩(とくやまはん:現在の山口県周南市)4万石を領した「毛利家」(もうりけ)に代々伝わった物。そのため、弓台の中央には、同家の表紋(おもてもん)である「一文字に三つ星」紋、同じく矢籠には、裏紋(うらもん:正式な紋とは別の紋)である「沢潟」(おもだか)紋が配されているのです。
また、両方には共通して、いわゆる「唐草」(からくさ)文様が描かれています。
矢籠と弓台は、いずれも補修の跡などは見られません。さらには、附属された18本の矢も羽に至るまで極めて状態が良く、その芯となる「箆」(の:矢の本体である棒の部分)には、竹を加工した部材が用いられています。こちらには、節々の下部を影のように濃く色分けした「節影」(ふしかげ)という塗りの技法が使われており、非常に珍重されました。