和製西洋式銃
わせい すないどる‐えんふぃーるど かみやっきょうごそうしきしょうじゅう 和製 スナイドル-エンフィールド 紙薬筴後装式小銃/ホームメイト

本鉄砲は、幕末に「スナイドル-エンフィールド」(スナイドル銃)という小型銃の機構に倣って日本国内で制作された小銃です。
スナイドル銃は、イギリスの軍事工場「ロイヤル・スモール・アームズ・ファクトリー・エンフィールド」(1804-1988)が開発。それまで弾込めを銃口から行なっていた「エンフィールド銃」(前装式)を改造し、銃身の後部から砲弾や装薬を充填する構造(後装式)にした鉄砲で、装填のしやすさなどから一気に普及しました。
しかしスナイドル銃には、密閉が完全でないと暴発や故障が起きるなどの欠点がありました。そのため、火薬の燃焼ガスを漏らさないように「ボクサー式紙薬莢」という薬莢を使用することで暴発率を下げる工夫をしたのです。
なお、後装式はブリーチブロック(尾栓とも言われる閉鎖器のこと)を開閉する様子が、刻み煙草の容器「莨嚢」(ろうのう)に似ていることから「莨嚢式銃」とも呼ばれていました。
本鉄砲は、銃身や機関部、真鍮製のトリガーガードや銃床などの状態が非常に良く、またイギリス製のスナイドル銃と比較しても現存数が極めて少ないため、非常に希少な1挺です。