和製西洋式銃
かんうちしきじゅうほう むめい 管打ち式銃砲 無銘/ホームメイト

本鉄砲の様式は、19世紀はじめ頃にスコットランド人の「アレキサンダー・ジョン・フォーサイス」によって発明された「パーカッションロック式」の銃です。
日本名では「管打ち式」または「雷管式」とも伝わります。パーカッションロック式は、それまで主流であった火縄を点火し発砲させる「マッチロック式」(火縄銃)とは少し異なり、撃鉄(げきてつ:火薬を発火させるための強打する部分)を落とした摩擦を利用して点火する銃です。
管打ち式の鉄砲が日本へと伝来したのは江戸時代末期頃とされていますが、本格的に大量輸入されたのは幕末のことで、管打ち式銃砲が少しずつ火縄銃に替わる存在へとなっていきました。
この管打ち式が主流となる以前に、実は尾張藩の蘭学者「吉雄常三」(よしおじょうぞう)や松代藩の銃工「片井京助」(かたいきょうすけ)らが管打ち式の構造を持つ鉄砲を開発。しかし、戦のない平和な時代であったことや大量生産が難しいなどの理由から、どちらも普及することはありませんでした。