アーカイブ ※この記事は2018年5月15日に発行されたものです。
関鍛冶伝承館(岐阜県関市南春日町九-一 ☎〇五七五-二三-三八二五)に付設された日本刀鍛錬場の改修工事が完了し、四月八日、リニューアルオープンした。
鍛錬場では従来から刀匠による日本刀鍛錬が公開されており、今回新たに座席百席と二十人分の立ち見席を設置。外国人見学者のため、作刀工程を英語と中国語のナレーション付きで放映するモニター三台も設けた。
刀剣ブームもあって近年は来場者が多く、また老朽化に対応するため、市が総事業費約九千八百二十万円を投じて昨年十一月から改修してきたもの。
式典で尾関健治市長は「快適に見学できる施設になった。海外客にも見に来てほしい」と挨拶。関伝日本刀鍛錬技術保存会の井戸誠嗣会長は「ここを拠点にして、日本刀文化を国内や世界にアピールしていきたい」と抱負を語った。
また、同市の老舗刃物商「刃物屋三秀」(関市小瀬九五〇-一 ☎〇五七五-二八-五一四七)では体験型複合施設をコンセプトに、「関刃物ミュージアム」をオープン。関で作られる包丁や日本刀の製造工程を実物を使って展示するほか、刀匠による日本刀鍛錬の見学や、実際に鋼を打つ体験もできる(事前予約制、有料)。公開鍛錬に当たるのは、二十五代藤原兼房刀匠親子とその一門。
日本刀と刃物の街・関にはほかにも見るべき史跡や施設が数多くイベントもしばしば開催され、ファンには訪れる楽しみがますます高まっている。
刀剣界新聞提供