「ウィッグ」とは、いわゆる「かつら」のこと。憧れの「武将コスプレ」や「甲冑コスプレ」、「アニメコスプレ」などを行なうには、ウィッグを装着すると、コスプレのレベルがぐんとアップします。好きな戦国武将として名高い「織田信長」のウィッグ選びを中心に、装着の方法の他、正しいお手入れ、保管の仕方をご紹介します。
「織田信長」のコスプレがしたいのなら、当時の織田信長が、どんな髪型をしていたのか、考察する必要があります。
まずは、時代考察です。戦国・室町時代の人のヘアスタイルについて調べてみましょう。
戦国・室町時代は、現代の私達のように、帽子など被り物を付けず、頭部を露出する「露頂」(ろちょう)スタイルが一般的でした。
ウィッグには、サイズ、素材など、たくさんの種類があります。ウィッグを購入する際に重宝する、基礎知識をご紹介します。
ウィッグにはサイズがあるので、まずは自分の頭の大きさを知る必要があります。
JIS(日本工業規格)では、頭はおでこから耳のうしろ、襟足を通って1周させて測定した値となります(横に1周させて測らない)。
サイズ表記が同じでも、ショップによっては大きさや着用感が違うため、初めて購入する際は、実際の店舗で試着してみるのがおすすめです。
通販で購入する際には、「マネキンにかぶせた写真では、マネキンが人間の頭より小さいためウィッグが長く見える」ということを頭に入れておきましょう。実際にかぶってみると思ったより短く感じてしまうので、それを見越して商品を選ぶと良いでしょう。
なお、通販の商品は、返品不可の場合もあるので、購入する前に必ずチェックすること。
ウィッグの素材には、「人毛」と「化学繊維」を使った物がありますが、コスプレ用としてよく使われるのは「化学繊維」のタイプです。
長さや色も豊富で扱いやすく、価格も手頃なのでおすすめです。
ナチュラル ショート |
そのままかぶるだけで、きれいなショートになるウィッグ。 |
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ショート | 前髪や横髪も長くアレンジしやすい定番の形。 |
セミロング | うしろ髪が45cm(肩下あたり)でサイドの毛量も多いタイプ。 |
ロング | うしろ髪が100cmの超ロング。毛量も多く地毛が見えにくい。 |
バンス | パーツタイプで簡単に装着できるウィッグ。ツインテールやポニーテールもOK。 |
化学繊維素材のウィッグを使う場合には、耐熱性の高い物を選びましょう。コスプレのヘアセットでは、ヘアアイロンやドライヤーなどを頻繁に使うためです。
また、人毛に似た少しマットな質感のウィッグは、高価な分、コスプレ全体の完成度をぐんと上げてくれます。
ウィッグを見たときに、実際の頭皮のように見えるかどうかもポイント。自然の質感に近く、違和感がなければ良いです。
また、髪の色のセレクトにもコツがあります。二次元キャラに似せるために設定そのままのカラーにすると、人の肌の色にはなじみにくく、かえって不自然に見えてしまうことがあります。
キャラの設定が派手な髪色の場合は、あえて肌色に合うような、トーンが低めの色を選ぶと良いでしょう。
ウィッグは、基本は1人で充分装着できますが、より美しく、簡単に装着するためには、道具や順番を理解しておくと良いでしょう。
ウィッグネット
ウィッグをかぶる前に、自毛をまとめるためのウィッグネットを装着しましょう。ウィッグネットのゴムが入っている側を下にして頭からかぶり、首まで下ろします。
ウィッグネットの手前をゆっくり引っ張り、額やもみあげに髪の毛が残らないようにしながら、前からウィッグネットを引き上げていきます。
うしろ髪をネットに入れ、引き上げたら、ネットの先をヘアピンでしっかり固定。余ったネット部分も、ヘアピンなどで留めておきましょう。
まず、ウィッグをかぶる前に襟足部分にあるフックを自分の頭のサイズに調整しておきます。両手でウィッグを広げ、片手はウィッグの内側の中心を、もう片方の手はウィッグの後ろを持つこと。
次に、前髪部分をおでこの中心に当てて、ずれないように押さえながら、後頭部を包むようにかぶっていきます。
最後に前髪、うなじ、もみあげの位置を合わせて、全体を調整。手やブラシで全体をなじませたら、完成です。
女性用のロングのウィッグを用意しましょう。
いわゆるポニーテールを作り、棒状に紐を巻き付け、高さを出します。しっぽの毛先をカットすれば総髪アレンジのでき上がり。
残ったウィッグの毛でもみあげ部分をつくって生え際を自然な感じで整えましょう。
月代(さかやき)
女性用のセミロングのウィッグを用意しましょう。
はじめに、ウィッグを裏返してネットの境目を見ながら、頭頂部を裁断します(A)。
これとは別に、坊主やモヒカンキャラなどに使われるゴム製ウィッグ(毛のないウィッグ)を用意して、頭の形にカット(B)。
(B)に(A)を縫い付けると、まずは落ち武者の出来上がりです。
次に、全体にワックスを付けてポニーテールを作ります。結い上げられないえりあしの部分はカットしても良いでしょう。後頭部の高い位置で輪を作り、しっぽの先を前に持ってきて毛先をカットすれば月代ウィッグのでき上がりです。
ちょんまげアレンジ
女性用のショートのウィッグを用意しましょう。
うしろにちょんまげを作る場合は、つむじよりうしろに、前側に作りたいときは、真ん中より前部分の毛を結びます。
結んだ毛にワックスを付けてねじり、サイドの毛もワックスでねじこんだら完成です。
分け目を左側に作り、コームで斜めに髪を分けます。
上側の髪を少しずつ立ち上げ、コームを使って逆毛を立たせましょう(逆毛は髪をつまんで上にひっぱり、髪の先から根元へ向けてコームですくと作れます)。
髪が立ち上がったら、ヘアスプレーで固定。逆毛を2本立ち上げ、ストレートアイロンで外ハネにして、ワックスで毛先をまとめてとがらせます。
うしろ側も同じようにハネさせて、ヘアスプレーを吹き付けて髪型をキープしましょう。
お嬢様風カールアレンジ
まずは巻きたい部分にセット用ヘアスプレーをかけ、全体的に湿らせます。
次に、アイロン(コテ)でくるくると巻いた状態で1分程度温めます。ドライヤーを使って表面からも温めると、手早くキレイにカールが完成。
このとき、アイロンの温度は110~120℃程度がベストです。
アイロンを使うと髪が高温になっているので、手に取る場合はやけどに注意しましょう。
長時間ウィッグを使用してニオイが気になるなら、ウィッグ専用のデオドラントスプレーをかけておきましょう。
スプレーやワックスでベタベタになったときや、しばらく使わないときには、シャンプーをしてきれいにします。
シャンプーは、人用の物を使っても傷んだり、色落ちしたりすることはありませんが、なるべくウィッグ専用シャンプーを使うのがおすすめです。なぜなら、通常のシャンプーは、人毛に合わせた成分で配合されているため、ウィッグに使用すると劣化する原因となるためです。
それでは、手洗いの順序を見てみましょう。
まずは、やさしくブラッシングをします。ここで毛の絡みや逆毛を戻しておきますが、汚れて滑りが悪いため、無理して引っ張らないように(表面のほこりを落とすくらいでOKです)。
洗面器に水を張り、ウィッグ専用シャンプーを数滴たらします。ポイントは水かぬるま湯で洗うこと。お湯では、カールがだれてしまうので使わないようにしましょう。
ウィッグを入れ、やさしくゆっくり押し洗いし、水ですすぎ軽く水気を切ります。毛をほぐすように洗ってしまうとカールが絡んでしまうので注意。
さらに、洗濯用の柔軟剤(衣服1枚分の量)を入れた水おけに1時間~1晩浸けておき、しっかりすすぐと、サラサラヘアーに変身します。
ウィッグをタオルで包み込むように水分を取り、室内に寝かせた状態、もしくはウィッグスタンドに掛けて、自然乾燥させます。
完全に乾燥したら、ウィッグ用スプレーをかけてブラッシングをして完了。カールが弱くなっていたら、ヘアアイロンで巻いてカールを付け直します。
ウィッグの収納例
ウィッグをブラッシングしておきます。
平らなところにウィッグを置き、丸めた紙を詰めます。
このときの紙は、購入時に付いてくるクッション用の紙を利用。もちろん新聞紙等でも問題ありません。
保存ネットでウィッグの頭頂部から後頭部、毛先に向けて包みます。
ロングの髪は絡みやすいので、リボンなどで軽く結んでおくか、くるくると巻いた状態で包みましょう。保存ネットに包まないと静電気が起きやすくなるので、必ず入れること。
ジップ付きのビニール袋に入れます。すぐ取り出せるようにキャラ名を書いておきましょう。100円ショップの透明ケースに入れて、キャラごとに収納している人もいます。
上から物を置かないようにし、涼しい場所で保管します。