武器と日本刀
武器と日本刀
著者:松葉國正の「日本刀が斬れる理由、美しい理由」をご紹介します。
1章では、師匠である小林康宏氏との出会い、修行を経て独立するまでの苦労話に加え、日本刀の基礎知識も解説しています。
2章では、冒頭で「日本刀は武器であり、戦いのツールで、それ以外のものではない」と主張するように、武器としての日本刀の一面を考察。そのなかでは、武道家としての知見もふんだんに盛り込まれており、戦う道具としての日本刀を時代や精神性など様々な観点から解説しています。
3章では、著者の経験に基づきながら日本刀を作る工程が詳細に書かれ、刀匠として実際に作刀した経験をそのまま記した臨場感ある内容です。そして、あとがきで「刀鍛冶になれてよかった」と書かれている通り、全編を通して日本刀に対する真摯で熱のこもった姿勢が伝わってきます。
一般的な日本刀の解説本とは違い、刀匠である著者自らが経験したことをもとに書かれているので、文献研究や美術的な観点で日本刀を観るのとは違った側面から、日本刀の真髄を知ることができるはずです。