「大隅俊平」は、1932年(昭和7年)、群馬県太田市生まれ。刀匠の技術を競う「新作名刀展」においては最高位の「正宗賞」を3度受賞。1997年(平成9年)には、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された人物です。「直刃の大隅」(すぐはのおおすみ)と呼ばれるほど直刃が得意で、生涯作風を変えることはありませんでした。
本短刀は、「明仁天皇」が「敬宮愛子」(としのみやあいこ)内親王へ「賜剣の儀」(しけんのぎ:皇室に子どもが誕生したときに執り行なわれる儀式)の際に贈られた、御守刀の貴重な影打ち(※)です。
(※)影打ち:刀剣は、通常、同時に数振制作され、その内一番出来の良い刀が「真打ち」として依頼者に納品されます。その際、納品されずに残った刀は影打ちと呼ばれます。