陣笠
江戸時代
ももえばりさびじたたきぬりじんがさ 百重張錆地叩塗陣笠/ホームメイト

本陣笠には、何重にも重ねて紙が張られており、その鉢は浅くなっています。漆と錆色で表面に加飾がされており、これに用いられているのが「叩き塗」(たたきぬり)と称される技法で、タンパク質の成分を持つ卵白や豆腐などを加えた漆を塗り、絹に包んだタンポ綿(綿を丸めて布などで包んだ物)で塗面を軽く叩き、縮緬(ちりめん)のような凹凸のある皺(しわ)を表します。
これにより、丈夫な仕上がりになるだけでなく、傷を目立たなくする工夫にもなるのです。 元来、一般武士は「編笠」(あみがさ)を着用していましたが、幕末の動乱期に陣笠を使用するようになったため、陣笠の色により、身分の違いを示す規定が設けられました。
本陣笠については、表面に錆色、裏地に黒塗が用いられていることから、下級武士が用いていたと推測が可能。さらに裏地には、朱書きで「近藤」という銘が刻まれており、こちらは、当時の所有者の名であると見受けられます。
これにより、丈夫な仕上がりになるだけでなく、傷を目立たなくする工夫にもなるのです。 元来、一般武士は「編笠」(あみがさ)を着用していましたが、幕末の動乱期に陣笠を使用するようになったため、陣笠の色により、身分の違いを示す規定が設けられました。
本陣笠については、表面に錆色、裏地に黒塗が用いられていることから、下級武士が用いていたと推測が可能。さらに裏地には、朱書きで「近藤」という銘が刻まれており、こちらは、当時の所有者の名であると見受けられます。