鞍(くら)
江戸時代
しゅぬりこくもちかさねにとけいもじばんもんうみありくら 朱塗石持重時計文字板文海有鞍/ホームメイト

本鞍の「居木」(いぎ:乗り手が腰を下ろす部分)の切目(きりめ)に「寛文七歳六月吉日 光成(花押)」の銘が墨書されていることから、1667年(寛文7年)の6月に制作されたと考えられる鞍です。
鮮やかな朱色に塗られた「前輪」(まえわ)の外側にある「石持」(こくもち:黒い餅[黒餅]を象った印のこと=黒丸)の上に、江戸時代までの時刻を表す十二支による時計の文字盤を重ねて描き込まれています。
附属の「四方手」(しおで:鞍の前輪と「後輪」[しずわ]の左右の4ヵ所に付けた金物の輪で「胸繋」[むながい:「鞍橋」 (くらぼね) を固定するため、馬の胸から前輪 の四方手につなぐ緒]、「尻繋」[しりがい:鞍橋を固定するために、馬の尾の下から後輪の四方手につなぐ緒]を留めるための部品)は、真鍮製(しんちゅうせい)。唐草文様が毛彫り(けぼり:彫金技法の中で最も古いとされる、毛のような細い線を彫る技法)とされています。保存状態は良好です。