指物
江戸時代 後期
しらじじゅうようもん さしものはた 白地十曜紋 指物旗(紗綾形文様)/ホームメイト

本旗は、標準的な反物(たんもの)より幅の広い紗綾形文様(さやがたもんよう:卍[まんじ]を斜めに崩して連続させた文様)の生地を使用した旗指物です。
生地の周囲に返し縫いを施し、上縁に乳(ち:竿を通すために付けられた帯状の布)を5個、片側に乳を7個縫い付けています。
中央部分に施された文様は、「十曜紋」(じゅうようもん)です。本指物旗の十曜紋は、油煙墨(ゆえんずみ:油を燃やした煤をにわかで固めた墨)で描かれました。
「十曜」とは、「星紋」(ほしもん)のひとつで、月と星を表わしています。星は、古来より農耕においては季節を知る暦となり、狩猟や航海など遠出をする際には位置を見極める指標となる存在。月と星は信仰の対象でもあり、この家紋は、天体信仰がもとになって用いられるようになりました。