指物
未査定
だきみょうがもん しはんばた 抱茗荷紋 四半旗/ホームメイト

本旗は、具足の背中に立てた指物用の四半旗(しはんばた:縦に長い長方形の旗)です。
材質は、練緯(ねりぬき:縦糸に生糸、横糸に練り糸を用いた絹織物)の平絹。上縁と左縁は、袋縫い(旗を固定するために縁を筒状に縫製すること)を施し、右縁と下縁は三つ折り縫いです。
袋縫いの口、及び左下の隅には、補強のために白い「韋」(なめしがわ:加工しやすいように処理を施した動物の皮)が縫い付けてある他、一面に細かい格子状の刺繍が施されており、これも補強の意味があると推測されます。
下部の隅には、「丸に陰抱き茗荷紋」(まるにかげだきみょうがもん)。「茗荷」(みょうが)は、ショウガ科の植物のこと。
名称の由来は、仏教用語の「冥加」(みょうが:神仏の加護、現世や未来を祝福するなどの意味)から来ていると言われており、縁起の良い家紋として古くから使用されてきました。
70種以上ある茗荷紋の中でも主要なのは「丸に抱き茗荷」です。浮世絵師「喜多川歌麿」や作家「三島由紀夫」など、著名な人物が用いた家紋として知られています。