献上鮫
未査定
けんじょうざめにてん 献上鮫2点/ホームメイト

本作品は、伊達家に伝来した逸品で、豪華絢爛な絵柄の「綿金襴」(めんきんらん)で制作された「仕覆」(しふく:茶器などの道具類を入れる袋)に包まれた鮫皮の最高級品です。
鮫皮は本来、日本刀の「拵」(こしらえ)に使用されていましたが、突起が大きく形が整っている物については、鮫皮それ自体を「金襴」(きんらん)や「組紐」(くみひも)などで装飾して豪商から大名などに献上されることもありました。このように用いられた鮫皮を「献上鮫」(けんじょうざめ)と呼んだのです。
日本刀に付属する拵の材料としての鮫皮の歴史は古く、奈良時代に建てられた「正倉院」(しょうそういん)に収蔵されている「御物」(ぎょぶつ:皇室の私有財産)の「剣」(けん/つるぎ)の「柄」(つか)に使用されているのを確認することが可能。
「鮫」という呼称ですが、その正体は南洋で獲ることのできるエイの背中の皮です。日本でエイを捕獲することが極めて困難だったため、そのほぼすべてが輸入品だったと言われています。