漆工
令和時代
しんぬりろぶち 真塗炉縁/ホームメイト

三重県桑名市無形文化財技術保持者である山本翠松(やまもとすいしょう)氏作の真塗炉縁(しんぬりろぶち)です。
炉縁は、畳と炉の間にはめる枠のこと。装飾のため、また、火気が畳に伝わるのを防ぐために、炉には必ず炉縁をはめます。種類は木地(きじ)と塗りの物に大別することができ、木地の物は四畳半以下の小間に、塗りの物は四畳半以上の広間に用います。
本炉縁は、全体を黒色の漆で塗った真塗の物。真塗は装飾もなくシンプルですが、熟練の技を要する技法です。
作者の山本翠松氏は三重県桑名市出身の塗師(ぬし)で、現在も桑名市で作品制作を続けています。第4回日本伝統漆芸展に入選した他、様々な作品で受賞。三重県指定工芸品に認定されたイジイジ塗桑名盆などの漆器をはじめ、棗(なつめ)・炉縁・水指などの茶道具を手掛け、各流派の茶人とも交流を深めています。