本甲冑(鎧兜)は尾張徳川家の附家老(つけがろう)を務めた初代犬山城主の成瀬正成(なるせまさなり)所用と伝わる甲冑(鎧兜)です。
春田勝定(はるたかつさだ)在銘作である鉄黒漆六十二間小星兜(てつくろうるしろくじゅうにけんこぼしかぶと)には酢漿草紋(かたばみもん)が入った前立と朱漆塗りの長大な脇立が付いており、迫力があります。
祇園守紋(ぎおんまもりもん)の金銅(こんどう:銅や青銅に金めっきした物)据金物(すえかなもの)が随所に配され、酢漿草紋を彫った鞐(こばせ:爪形の留め具)が付いています。本甲冑(鎧兜)の漆の仕立てには目を見張るものがあります。