本甲冑(鎧兜)は、「徳川家康」が、1600年(慶長5年)に起こった「関ヶ原の戦い」や、1614年(慶長19年)、及び1615年(慶長20年/元和元年)の「大坂の陣」に参陣する際に、着用していたと伝わる甲冑(鎧兜)を再現したレプリカの作品です。
本甲冑(鎧兜)の一番の特長は、「歯朶」(しだ)の葉の意匠を「前立」(まえだて)に配した「大黒頭巾」(だいこくずきん)の形状となっている兜(かぶと)。この兜の意匠は、ある晩に、徳川家康の枕元に立った「七福神」のひとつである「大黒天」(だいこくてん)を模して、徳川家康自らデザインしたと伝えられています。
また本甲冑(鎧兜)は、鉄板で作られた兜の土台に、和紙を張り懸けて乾燥させることを繰り返す当時の伝統技法を用いており、甲冑(鎧兜)を構成する部品「小札」(こざね)の一種である「伊予札」(いよざね)は、本革で包んだあとに、塗装を何層にも重ねて施しているなど、手が込んだ作品となっており、天下人となった徳川家康の威厳を感じさせる1領です。