だいしんぼうゆうけい
刀剣彫物の名手として名高い「大進坊祐慶」(だいしんぼうゆうけい)は、1197年(建久8年)に、下野国(現在の栃木県)の日光山で生まれた人物です。35歳まで僧侶として生活したあと、下山して相模国・鎌倉(現在の神奈川県鎌倉市)に向かい、「相州伝」(そうしゅうでん)の大家(たいか)「新藤五国光」(しんとうごくにみつ)に弟子入り。刀鍛冶の道へ進みました。一説では、108歳まで生きたとも言われています。
彫物の腕前に優れ、「正宗」(まさむね)や「行光」(ゆきみつ)の作刀に施された彫物にも、大進坊祐慶作が多数。銘は「大進坊祐慶」、あるいは「大進坊」と切っています。
なお、昭和期に映画やテレビドラマとなり、人気を博した時代劇「丹下左膳」(たんげさぜん)では、主人公は架空の人物でありながら、その佩刀(はいとう)には、大進坊祐慶作の「濡れ燕」(ぬれつばめ)が採用されました。