本槍は、安土桃山時代に制作された、「手違十文字槍」(てちがえじゅうもんじやり)と呼ばれる、十文字槍です。実戦から得た多くの経験をもとに作刀されており、戦国時代の勇姿を感じさせます。
馬上の戦いから徒歩(かち)の戦いへ移行すると、槍は合戦の主力となり、「突く」だけではなく、「薙ぐ」、「引く」、「叩く」など、様々な役割を果たしました。
槍の極意は「突き3分・引き7分」と言い、一度突いて戻すときに鎌首で引っ掛け倒すことが有効な攻撃力であったと考えられています。
なお、十文字槍は3方向に刃があるため、扱い難く、実力のある熟練者のみが扱える槍でした。