指物
未査定
まるにみつがしわとともえもん さしものはた 丸ニ三柏ト巴紋 指物旗/ホームメイト

本旗は、具足の背に立てた旗指物です。平織りの絹布一幅(ひとの:織物の一般的な幅。30~36cm)をもって仕立てています。
上縁と片側に袋乳(ふくろち:竿を通すために付けられた袋状の布)を設け、下縁と他の片側は三ツ折縫い。生地一面に格子縫いを施して補強しています。
生地の中央上部に墨で描かれているのは、「丸ニ三柏ト巴紋」(まるにみつがしわとともえもん)。柏の葉は、秋に枯れても翌年新芽が出るまで落ちないという特性があることから、「家系が途切れない」縁起物とされました。
また、紋の中央にある「巴」には、水が渦巻く様子を表しているという説、あるいは、弓を使うときに左手首に付ける皮具(かわぐ)の「鞆」(とも)を図案化したという説、宝器の「勾玉」(まがたま)を図案化したという説があります。柏や巴を表した紋は、神社と神社に関係する氏族が多く使用しました。
丸ニ三柏ト巴紋の下に赤の顔料で描かれた十文字の文様は、「襷十字文」(たすきじゅうじもん)と考えられます。当時、物忌み(ものいみ:神事奉仕の際、日常の行動を慎んで穢れを避けること)のしるしとして肩に掛けられた襷には、神聖さを現わす意味がありました。