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江戸時代 前期
ほうぞうぼうしんかい いちぎょう いけだけもくろくしょさい えんぴぎょやく 豊蔵坊信海 一行 池田家目録所載「鳶飛魚躍」 /ホームメイト

本掛軸にしたためられた四文字「鳶飛魚躍」(えんぴぎょやく)とは、中国最古の詩集「詩経」(しきょう)の一節で、「鳶は飛んで天に至り、魚は淵に躍る」という情景を表しています。
その意味は、自然にしたがい、それぞれの性質を楽しみ自由に生きること。または、その自由な様子から、君主の恩徳が広く及び、世の中が平和であることの例えとも言われています。
本掛軸を記した「豊蔵坊信海」(ほうぞうぼうしんかい:1626~1688年[寛永3~元禄元年])は、京都の「石清水八幡宮」(いわしみずはちまんぐう)の社寺「豊蔵坊」の社僧(しゃそう:神社に所属して仏事をつかさどった僧)として江戸時代前期に活躍。
石清水八幡宮は、平安時代初期に創建されて以来、多くの武将が戦勝祈願に訪れました。現在の社殿は、「織田信長」、「豊臣秀吉」・「豊臣秀頼」らの修復再建を経て、「徳川家光」によって造営された建物です。この豊蔵坊には、徳川家の祈願所がありました。
